絞め殺しの樹

特別エッセイ*河﨑秋子「こしあんと祖父」
 昨年刊行した拙作『絞め殺しの樹』は、北海道東部・根室が舞台だ。根室には私の母の実家がある。漁業と酪農が主産業という典型的な北海道の地方自治体だが、地理的な理由により江戸後期から商人や幕府の役人が駐在していたこともあり、歴史は古い。『絞め殺しの樹』では、根室特有の環境や出来事など、資料を多々参考にさせてもらった。とはい
河﨑秋子さん『絞め殺しの樹』
いいものも悪いものもいつかは終わりを迎えるんです 発表する作品が毎回高く評価される河﨑秋子さんが、待望の新作『絞め殺しの樹』を発表。根室に生きた一人の女性と、彼女の人生を想う青年の物語。書名はなんとも不気味だが、実はこれ、菩提樹のこと。主人公たちの人生のなかで、この言葉が意味したものとは?
河﨑秋子『絞め殺しの樹』
子鹿の死に方と死なない白猫 よくある話で恐縮だが、動物が死ぬ話に弱い。嫌いではなく、涙腺の耐久値が低く、気を抜くとすぐに泣いてしまう。その最初は、忘れもしない、子どもの頃に見たアニメ『子鹿物語』だ。