◎編集者コラム◎ 『大正野球娘。3 帝都たこ焼き娘。』神楽坂 淳
◎編集者コラム◎
『大正野球娘。3 帝都たこ焼き娘。』神楽坂 淳
つい最近、大正時代を舞台にした漫画「鬼滅の刃」のアニメ映画が、日本映画史上最速で興行収入100億円を突破したそう。すごい!
言わずと知れた人気漫画「ゴールデンカムイ」も、日露戦争後の明治末期を舞台にしていて、どうやら創作界隈は明治大正ブームが到来している模様です。
ということで、大正末期を舞台にした本作、「大正野球娘。」シリーズ第三巻の『帝都たこ焼き娘。』をご紹介させてください。
第一巻で、「女は家庭に入るべきで、学歴もいらなければ社会に出る必要もない」と、婚約者から上から目線で言われた女学生が怒り心頭。相手が得意とする野球で敵を討って、ぎゃふんと言わせるべく、仲間を集めて、挑戦状を叩きつけます。
そして第二巻『土と埃にまみれます』では、敵選手の情報収集から合宿まで、練習練習また練習の、ひたすら練習の日々。ついに試合本番を迎えます。とはいっても、年頃の女の子ですから、もちろんグルメでお楽しみもあるのは当然のお約束。
無事に敵を討てたのかどうかはネタバレですので、ひとまず横に置いておいて、第三巻の本作では、試合を終えて、久しぶりに日常生活に戻った東邦星華女学院の娘たちが、とんでもない事件?に巻き込まれてしまうのです。
なんと、関西のアーミナ女学校の娘たちから、東西「屋台」グルメ対決を挑まれます。
ルールは、お祭りの日に屋台を引いて、一人でも多くのお客さんを獲得した方が勝利するというもの。
当時は女性が屋台で食事するだけで「はしたない」と言われたのですが、なんと彼女たちは屋台で食べ物を売るというのです。
「ちょっと待って。野球はどこへ行ってしまったの?」などと野暮はおっしゃらずに、「男尊女卑」を吹っ飛ばす大正モガの元気いっぱいの姿をぜひご笑読くださいませ。
特に、東邦星華女学院に挑戦状を叩きつける、アーミナ女学校の女学生に注目です。
加えて、東邦星華女学院とアーミナ女学校の因縁も。
──『大正野球娘。3 帝都たこ焼き娘。』担当者より