◎編集者コラム◎ 『悲願花』下村敦史

◎編集者コラム◎

『悲願花』下村敦史


 書店員さんや熱いファンの間では、〝シモムー〟の愛称で知られている下村敦史さん。そんな可愛らしい愛称がしっくりくるような、穏やかで優しいお人柄が魅力の下村さんですが、書かれる作品は骨太で、扱いにくいような重いテーマに次々に挑戦されています。

『悲願花』は、両親が起こした一家心中事件の生き残りである主人公の幸子が、子供たちを道連れにした一家心中事件で生き残ってしまった雪絵という女性と運命的な出会いを果たすことによって始まる物語。一家心中の〝加害者〟と〝被害者〟――ともに過酷な状況から〝生き延びてしまった〟者同士でありながら、その胸に抱える思いはまったく異なります。自責、復讐心、後悔、幸せを求めながらも自ら遠ざけてしまうことへの葛藤……両者のさまざまな感情が交錯する時、何が起きるのか。そして明かされる過去の心中事件の真相とは。

 下村さんにしか書けないドラマチックな物語、ぜひどっぷりと没入して一気読みしていただけたら幸いです。

「終盤まさかの展開! 黒だらけだったオセロがパタパタと白へ変わっていくようだ」(紀伊國屋書店仙台店 齊藤一弥さん)、「せつなく、辛く、でも希望を感じるドラマチックな一冊」(旭屋書店アトレヴィ大塚店 北川恭子さん)、「ラストにかけて、ただただ涙がこぼれました…!!」(紀伊國屋書店福岡本店 宗岡敦子さん)、「この仕掛け、この真相、この想いの強さ。下村敦史の筆力と策に完敗!!」(ときわ書房本店 宇田川拓也さん)と、全国の書店員さんから大反響のコメントが寄せられている本作。デビュー作から下村作品を読まれてきた芦沢央さんによる素晴らしい解説も、ファン必読です。

──『悲願花』担当者より

悲願花

『悲願花』
下村敦史

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アンデシュ・ハンセン 著、久山葉子 訳『スマホ脳』/世界に蔓延する〝薬物依存に似た症状〟