◎編集者コラム◎ 『孫むすめ捕物帳 かざり飴』伊藤尋也

◎編集者コラム◎

『孫むすめ捕物帳 かざり飴』伊藤尋也


安里英晴先生が描く、元気でかわいいお孫ちゃん「とら」と「くま」。イメージにぴったりです!

捕物に恋愛物、そして料理物……もちろん時代小説もさまざまなジャンルがてんこ盛り。

主人公も老若男女に善人悪党、医者に女将にといろいろなのですが、でもなぜか、孫を主人公級に扱った作品が見当たらないのです。

時代小説の読者は、すでにお孫さんがいても不思議ではないご年齢の方が圧倒的に多いはず。

祖父母にとって孫は目に入れても痛くないほど可愛いと言うくらいですから、きっと捕物や恋愛物、料理物よりも、ずっとずっと孫物を読んでみたいのでは? なんていう気がします。

なのに見当たらないのは、なぜかしら?

そこで誕生したのが、本作『孫むすめ捕物帳 かざり飴』なのでした。

主人公は、南町奉行所の定町廻り同心・沖田柄十郎。ある事件がきっかけでやる気を失ってしまった六十五歳で、今では同僚から「窓際同心」とバカにされています。

そんな柄十郎ですが、可愛いばかりに甘やかしたくて仕方がない「とら」と「くま」という、自慢の孫がふたりいるのです。

十二歳のとらは剣術が滅法強いお転婆さん。

九歳のくまは頭脳明晰、オランダ語をしゃべれます。

ろくに見廻りもしない柄十郎は、いつもふたりを連れて江戸市中を散歩しては、デレデレと眉毛を八の字にして、お菓子やおもちゃなどを買ってあげる始末。

そんな平和な日常だったのに、よりにもよって柄十郎の縄張りで殺しが発生してしまいます。

今ひとつ探索に身が入らないおじいちゃんを見たとらとくまは、なんとか手柄を立てさせてあげたいと一念発起、なんとまぁ、岡っ引きを買って出たのです。

持ち前の剣術と頭脳を精一杯使って、勝手に探索をはじめたのはいいけれど、やはりそこは年端のいかないふたり。ついに身に危険が迫って来てしまいます。

これにはさすがの柄十郎も青ざめて、ようやく腕まくり。愛する孫ふたりを救うべく、獅子奮迅の働きを見せるのでした――。

と、主人公は老同心の柄十郎なのですが、孫のとらとくまがしっかりと助演を務めて、主人公がタジタジするほど大活躍します。

──『孫むすめ捕物帳 かざり飴』担当者より

孫むすめ捕物帳 かざり飴

『孫むすめ捕物帳 かざり飴』
伊藤尋也

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