◎編集者コラム◎ 『いつも二人で』浜口倫太郎
◎編集者コラム◎
『いつも二人で』浜口倫太郎
この文庫は、単行本時に『ワラグル』というタイトルで刊行されました。
今から2年以上前、その時は営業チームの発案で、「幸福のチェーンゲラ」作戦を敢行。
具体的には、著者名、タイトルを伏せて、新刊のゲラを熱い手紙とともに書店員の方々にお送りし、もし読んで気に入ったらお知り合いの書店員仲間のひとたちにバトンを繋ぐようにして薦めていただけたら……という今考えても、なかなかに暑苦しめ(笑)な主旨でしたが、おかげさまで発売前にかなりの話題を集めることができました。
ただ、前夜祭のように盛り上がったあとは、残念ながら期待値を上回ることは叶わず、心機一転、文庫版でタイトルも何も替えて、再度のチャレンジとなったのが本作になります。
カバーの装画は、ふだん壁面に巨大なアート作品を描いているOVER ALLsの山本勇気さんにお願いしました。
出来上がった絵は、主人公の漫才師ふたりの手をクローズアップして描くという意表を突かれまくったものになりましたが、これがまたなんとも熱い。
格闘技のような競技スポーツのような一面を持つ漫才賞レースのガチっぷりを見事に描き尽くしてもらっているように感じております。
帯の推薦文は、さまぁ~ず三村マサカズさん、スピードワゴン小沢一敬さん、さらに解説はTKO木本武宏さんと錚々たる方々の檄文が並んでいて、こちらも負けていない熱量の高さを感じざるをえません。
著者の浜口倫太郎さん命名の「本格賞レースバトル小説」という言葉通り、リアルかつ切実な内容といえる本作。
すこし分厚めなボリューム感ですが、読み始めたら先が気になってしまって読みふけってしまった、という声も多く耳にします。
ぜひ、手に取っていただけるようでしたら幸いです。
──『いつも二人で』担当者より