ハクマン 部屋と締切(デッドエンド)と私 第51回
「事件・事故を起こさないこと」。
だが漫画の現場でも、たまに起きる。
これが今年一発目の記事である。
しかし私の仕事は12月31日の17時に納まり、1月1日の0時18分には始まっていた。
これは仕事が忙しいからというわけではなく、もっとタイトにやれば正月休みなどいくらでもとれるし、1ヵ月ぐらい何らかの更生施設に自主入院することも可能なのだが、それができないから、1年中ダラダラ仕事をするしかないだけである。
つまり、己の計画性のなさを露呈しているだけなのだが、それをちょっと自慢げに言っている時点で今年ももう終わっている。
ちなみにこれを書いているのは1月4日であり、世間では今日から出勤という人も多いだろう。
その姿を、全裸にジャンパーのフードから取り外したファー(ストーブを背にしすぎてチリチリ)のみをまとい、窓から見下ろせることだけが「無職になった甲斐」というものであった。
しかし今年もご存じコロナが猛威を振るったままなので、依然在宅勤務で「仕事始め」という概念がなくなっている会社員も多く、特に編集者はほとんどリモートワークのままである。
このように「無職唯一の特権を奪った」という意味でもコロナは史上最悪のウィルスなのだ。
しかし、それも感染者を増やさないためには仕方のない事だ。
特に編集者に感染したコロナは二階級ぐらい特進していると思うので、それが広まったら日本が滅ぶ。
仕事というのは職種を問わず、一番大事なのは「事件・事故を起こさないこと」である。
まずは、人命にかかわる事件・事故を防ぎ、次に御社&弊社に損害を与える事故を起こさないようにしなければいけない。
つまりどんな職業でも「安全管理」は仕事の内に入っているということである。
漫画の現場でも事件や事故はたまに起こる。
まず漫画家という職業を選んでしまった時点で人生が事故っているし、保険会社も「免責」と言ったきり連絡が途絶えた。
事件に関しては、作家が使ってはいけないお薬を服用したり、所持してはいけない銃器やポルノを所持したり、淫行、果ては性犯罪で捕まることがごくたまにある。
だが法をファックするのは常に作家側というわけではなく、編集側はやっても作家ほど話題にならないというだけで、多分同じぐらいにはやっている。