ハクマン 部屋と締切(デッドエンド)と私 第73回
漫画もデジタルで描く時代。
「くしゃみと思ったらゲロでした」
の恐怖はなくなったが、欠点もある。
最近よく使われているのが「クラウド」である。
そう言われると昭和生まれは脳内に「更に闘う者達」が流れだして一日中ループしてしまうのだが、そのクラウドではない。
ではどのクラウドだと言われると私も正確には説明できないが、データを自分のパソコン内に保存すると、そのパソコンが爆発した時点でデータも消失してしまう。
よってデータをパソコン内ではなく「クラウド」に保存するのだ。
そのクラウドが何なのか、どこにあるのかは知らないがおそらく「ガンダーラ」みたいなものだろう。
クリップスタジオの会社もクラウドサービスを行っており、クラウドと端末内両方に保存することでデータの消失を防ぎ、さらに別端末とデータを共有しやすいので重宝している。
先日、仕事をしようと思ったらそのクラウドが「メンテナンス中」になっており、使用ができなくなっていた。
「これでは仕事ができないではないか、詫びクリッピーはよ」と思ったが、逆に言えば仕事をしなくて良い、ということなので大して気にせずウマ娘を起動した。
ちなみに「クリッピー」というのは、クリスタ内で使える通貨のようなもので、それで漫画に使う素材などを購入できる。
私の漫画は「3D素材の隙間に絵を入れさせてもらっている」でお馴染みなので、素材が購入できるというのは非常にありがたいシステムだ。
しかし一つ不満があるなら「クリッピーが金で買えない」という点である、毎月定額クリッピーが貰える他、後はログインで貰えたり自分が素材を公開することでもらえるというシステムなのだ。
つまり基本的に「ソシャゲの無課金勢かよ」みたいな方法でしか手に入らないのである。こちらとしては「金は出す」なのに「それは断る」という刀剣乱舞仕様なのだ。
ちなみに「ゴールド」という、金で買える通貨もあるのだが、素材によってはクリッピーでしか買えないものもあるのだ。
おそらく出品者としては良かれと思って、無料で手に入るクリッピーでの販売だと思うのだが、こっちは金は出すから売ってくれ、なのである。
懐中時計と櫛の夫婦のごとく、全員がすれ違っている状態なので、素材を出品している方は謙遜せずに、クリッピーとゴールド両方で販売していただけると大変助かる。