◎編集者コラム◎ 『鴨川食堂もてなし』柏井 壽

◎編集者コラム◎

『鴨川食堂もてなし』柏井 壽


鴨川食堂もてなし

あっという間に、シリーズ第7巻。

京都のしもた屋で再現された思い出の味も、40品を超えましたね。

「鴨川食堂」シリーズを応援してくださっている読者のみなさま、誠にありがとうございます!

『鴨川食堂もてなし』、6月5日に無事発売いたしました!

思い出の味を再現することができる、という噂を聞きつけて、過去にも多くの人が暖簾をくぐってきました。

今回の物語では、鴨川食堂の主人・鴨川流(かもがわ・ながれ)と浅からぬ関係にある、大道寺茜が依頼人として登場します。

茜は、鴨川食堂の1行広告を掲載している雑誌、『料理春秋』の編集長です。流の亡き妻・菊子とも交友がありました。

わざわざ編集部のある東京から、京都まで足を運んだわけとは、一体……?

そのほか、前にも増してあたたかく、おなかいっぱいになるお品書きが満載です!

そして今回、表紙のイラストで新しい試みが。

毎回、流の娘・こいしを表紙に描いていただいているのですが、皆さん、気づいておられましたか? 今回は、初めて目を開けたこいしのご執筆をお願いいたしました!

過去のシリーズから、少し印象が変わったのではないでしょうか?

というのも、この2020年6月、小学館の文芸編集室では新しく「おいしい小説文庫」というレーベルを立ち上げることになりました。

「食」に関する小説に特化したレーベルです。その刊行第1弾として、『鴨川食堂もてなし』もラインナップに。

そしてなんと、この「おいしい小説文庫」の初代アンバサダーに、創作あーちすと・のんさんが就任してくださいました! これほどめでたいことはない!!

ということで、「鴨川食堂」も気持ちを新たに、さらに前進していけたらと思います。

素敵なイラストをご執筆くださった坂本ヒメミさん、パキっとしたデザインに仕上げてくださったマンメイデザインさんありがとうございました!

著者の柏井さんとは、昨今の事情でなかなかお会いできず、もっぱらリモートで連絡を取り合っています。京都はいま、人が少ないそうです……。

「鴨川食堂」は、文芸誌「STORYBOX」で新シーズンの展開と、「鴨川食堂おでかけ」という、流とこいしのお店訪問記が不定期で始まります。

「おでかけ」は、柏井さんオススメの実在するお店が紹介されておりますので、ぜひ一度足を運んでみてくださいね!

それではまた、三ヶ月後に!

──『鴨川食堂もてなし』担当者より

鴨川食堂もてなし

【2020年の潮流を予感させる本(11)】五木寛之『新 青春の門 第九部 漂流篇』/貧しい時代に光明がさす活劇青春小説
【2020年の潮流を予感させる本(12)】ニケシュ・シュクラ 編、栢木清吾 訳『よい移民 現代イギリスを生きる21人の物語』/「有色人」として生きることとは