◎編集者コラム◎ 『若殿八方破れ(二) 木曽の神隠し』鈴木英治

「若殿八方破れ」の主人公・真田俊介
(左)1巻カバーイラスト(右)2巻カバーイラスト

 累計20万部突破!「突きの鬼一」シリーズの鈴木英治先生が描く傑作廻国時代小説「若殿八方破れ」、待望の第2巻が発売されました!

 今回も「突きの鬼一」シリーズを担当する鬼の編集者、通称・鬼担――ではなく、その鬼担とともに「若殿八方破れ」シリーズを担当する、まだまだ鬼になり切れぬ小鬼が当コラムを担当させていただきます。よろしくお願いいたします。

 さてさて、1巻目では友垣にして無二の忠臣を殺害され、散々な目にあった主人公・真田俊介。2巻目ではいよいよ、その忠臣の仇を討つため、御法度の仇討ち旅を始めます。同行するは、守り役の爺こと海原伝兵衛と天才剣士・皆川仁八郎。そして、病に倒れた母のため長崎を目指す女児おきみの三人です。

 上段の画像は左が1巻目の俊介を描いたもので、右が2巻目の姿を描いたもの。装束もがらりと変わり、一路、九州・筑後久留米を目指します。
※作画は「突きの鬼一」シリーズでもおなじみの、西のぼるさんです。抜刀し仇と対峙する俊介は……まさにほれぼれする凛々しさですね。

 ちなみに、2巻目のサブタイトルは「木曽の神隠し」。木曽といえば江戸の時代から今日にいたるまで、檜(ヒノキ)の木が有名です。昔から檜はその優れた耐久性と抗菌性、そして何より美しい木目が珍重され、いわゆる檜風呂はもちろんのこと、法隆寺の五重塔など、重要な建築物などにも多く使われてきました。

 ところが、木材としてあまりに優秀だったためか、江戸時代には伐採が急速に進み、木曽の地から檜が急速に失われ、尾張藩は藩以外の伐採を厳しく制限するようになったそうです。

 こうして、「檜一本首一つ」とまで言われた尾張藩の厳しい管理のもと、木曽の檜は復活をはたすのですが、いつの世にも悪い奴はいるもので。この藩の戒めをやぶり〝抜け荷〟を試みる者たちがいて、本作ではそれが重要なキーワードになってくるのですが……

 はたして、この〝抜け荷〟と仇討ち旅がどう関係してくるのか――それは読んでのお楽しみ。「口入屋用心棒」「突きの鬼一」そして本作「若殿八方破れ」。鈴木英治先生の三大シリーズ、ぜひ、ご愛読のほどを。

──『若殿八方破れ(二) 木曽の神隠し』担当者より

若殿八方破れ(二) 木曽の神隠し

『若殿八方破れ(二) 木曽の神隠し』
鈴木英治

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