HKT48田島芽瑠の「読メル幸せ」第41回

HKT48の田島芽瑠の読メル幸せ

第41回


9月になりました🍇

雨が上がり、空に晴れ間が戻り始めたらいつの間にか夏が終わっていました。芋味とか栗味の商品がディスプレイに並び始めたり、早いところではハロウィン用品が売ってたり、秋の訪れを感じますね。

皆さんはどこでどんな時に本を読むのが好きですか?いつでもどこでも読書って出来るけど、この時に読むのが1番好きだなーって時ありませんか?
私は飛行機で読むのが1番好きです!!!
コロナ禍になる前は頻繁に飛行機に乗っていて、片道1冊ペースで読んでいたのでキャリーケースに4冊持っていったりしていました? 寝る前に部屋で読むのも好きだけど、なんでか飛行機が1番スッと集中できてぐわーって読み込める。ちなみに空港の本屋さんもとても好き!街の本屋さんとは違う出合いがあって新鮮な気持ちになるんだよね〜。
この前久しぶりにお仕事で飛行機に乗って本を読んだ時に改めてこの時間が好きだなと思ったので、皆さんはどんな所で読書するのが好きなのかなって気になりました?

さてそんなフライトの旅で読んだ本を紹介します?
寺地はるなさん『声の在りか』です。

田島芽瑠ちゃん

小学4年生の息子を持つ主人公の希和。
旦那にも、息子にも、ママ友にも…思うことは沢山あるのに、今言うべき事なのか、言うべきではないか、言葉を慎重に選りわけているうちに喉がふさがったようになる。飲み込み続けてうちに引っ込んでしまって、言葉がうまく出てこない。わたしの声はどこに行ったのか…。もう消えてしまったのだろうか。「どうせ」「だって」と何かと理由をつけて諦めてしまう。そんな自分と向き合いながら、登場人物達と関わる事で成長していく大人の成長物語。

「これを言ってしまったらどうなるのか」
大人になるにつれ先のことを考えられるようになる。我慢する事を覚えたら、極力何事も起こさないよう安全な方を選んでしまう。傷つけないように、傷つかないように。子供に対しても大人に対してもリアルな人間関係が描かれていて、希和を通して希和の感情が自分に流れ込んできて、思わずため息が出ちゃったくらい主人公の気持ちが入り込みやすかったです。人間関係の難しさをヒシヒシと感じました。

田島芽瑠ちゃん

作品の中で、子供の頃に本当は薄荷が好きだったけど「お父さんのいちばん好きなやつだから」と遠慮して食べていなかったのに、実はそれが勘違いだった事がわかる。子ども達があまり好きではない味のようだからと勝手に思い込んで、優しさで苦手な薄荷ドロップを率先して父は食べていて、お互いなんとなく思いこんだまま、何十年もすれ違っていたんですね、と語るシーンがとても印象的でした。あぁ、わかるな、こういう事ってあるよねとハッとさせられたし共感できました。

田島芽瑠ちゃん

結局〝向き合う〟という事は怖いけど、大事な事でそんな当たり前の事から何故か逃げてしまうのが人間関係の難しさなんだろうな。向き合う事をしなかったから、すれ違いが起こってしまう。もう一歩踏み出していれば生まれなかった誤解も、先入観が邪魔して自己防衛が働いてしまう。人間関係って本当に難しいなーって。一歩なんだろうけどその一歩を踏み出すのが物凄く怖いんだよね。生きていく上で拭いきれない永遠のテーマだと思います。

きっと誰しもがどこか共感し、考えさせられる。
〝気づき〟を与えてくれる。そんな作品です。

自分の声大事にしていこう。
良い本の旅を、田島芽瑠でした。

田島芽瑠ちゃん
 
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南 和行『夫婦をやめたい 離婚する妻、離婚はしない妻』/浮かび上がるのは、妻との人生を真剣に考えようとしない夫たちの姿
◎編集者コラム◎ 『海をゆくイタリア』内田洋子