ニコデモ 風は思いのままに吹く

◇長編小説◇藤谷 治「ニコデモ 風は思いのままに吹く」連載第2回
 とうとう半ば常軌を逸したニコデモは、船着き場に積み上げられた大きな木箱の上によじ登り、たったひとつ残された小僧の形見を歌い始めた。  花よ、花咲けよ、花は花咲くもんだなし。 ・・・・・・・・・・・・
◇長編小説◇藤谷 治「ニコデモ 風は思いのままに吹く」連載第1回
     昔むかしの大昔、日本が戦争に勝っていたころ、ある裕福な家に、一人の男の子が生まれた。両親はこの子をニコデモと名付けた。父母ともにキリスト教徒であったので、聖書にあらわれる