『人魚が逃げた』青山美智子/著▷「2025年本屋大賞」ノミネート作を担当編集者が全力PR

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優しい奇跡の物語


 銀座の歩行者天国に「王子」が現れ、「人魚姫」を探している――。
 初めてこの設定を聞いたときに受けた衝撃を、いまでも覚えています。現実とフィクションが溶け合い、新たな地平を開いてくれる名作となるに違いない。その予感は、第1稿を読んだときに確信に変わりました。

 本作の舞台は、ある3月の週末の銀座。和光ビルの正午のチャイムを合図に、12時から17時までの5時間だけ、約1キロメートルの区間が歩行者天国となります。
「王子」と名乗る謎の青年が、「僕の人魚が、いなくなってしまって……逃げたんだ。この場所に」と、生放送のインタビューで語り、SNS上で「#人魚が逃げた」のタグが話題になったところから、物語は始まります。
 5人の登場人物はみな、人生の岐路に立っており、たまたま同じ日に銀座を訪れました。1時間ごとにそれぞれの人物にスポットが当たり、彼らが「王子」に出会い、言葉を交わすことで変化が生まれていきます。

 銀座は、青山さんが東京に出てきて最初に働いた街だそうです。銀座にある会社を紹介され、面接の日に待ち合わせたのが、和光の前だったとのこと。ある意味、青山さんの運命を変えた街でもあり、「不思議なことが起きてもおかしくない場所」と語っていました。

 青山さんは読者や書店員のみなさんを心から大事にされていて、サイン本をはじめ、ポスター、色紙など、1枚1枚、丁寧にサインとメッセージを入れられます。先日は足を捻挫しているにもかかわらず、待っている方がいらっしゃるからと、弊社までお越しいただき、たくさんのサイン本を作成してくださいました(本当にありがとうございました……!)。
 社内でも青山さんのファンは多く、『人魚が逃げた』をたくさんの人に届けたいからと営業部に異動してきた者もいるほどです。

『人魚が逃げた』には、発売前から多くの書店員さんから期待の声や感想が寄せられています。連作短編小説の名手である青山さんが贈る「優しい奇跡の物語」を、ぜひ楽しんでいただければと思います。

『人魚が逃げた』写真
物語の舞台である銀座を、青山さんと巡った記事です。スペシャルゲストも登場!?

──PHP研究所 浅田菜美子


2025年本屋大賞ノミネート

人魚が逃げた

『人魚が逃げた』
著/青山美智子
PHP研究所
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