中谷友紀子

◎編集者コラム◎ 『警部ヴィスティング 鍵穴』著/ヨルン・リーエル・ホルスト 訳/中谷友紀子
 前作『警部ヴィスティング カタリーナ・コード』は、おかげさまで2021年版「このミステリーがすごい!」〈海外編〉第7位に選ばれました。本当にうれしい出来事でした。そして応援してくださった皆さま、本当にありがとうございました。心からの感謝を申し上げます。
 毎年10月、フランクフルトで開催されるブックフェアへ行くたびにミーティングを重ねてきたエージェント(版権代理人)の一つがサロモンソン・エージェンシーだ。スウェーデンのストックホルムに本社を置くその会社は、北欧で最も重要なエージェントの一つで、ジョー・ネスボなど著名な作家を数多く擁している。ちなみに2019年に多くの書評で取り上げていただいた歴史ミステリー『1793』(ヘレンハルメ美穂訳/小学館刊)のニクラス・ナット・オ・ダーグも、サロモンソンの所属である。
中谷さん
 デビュー作ながら、本国イギリスでの刊行直後、十五か国で翻訳が決定したという、注目のサイコスリラー『邪魔者』。厄介な事情を抱えた姉妹の複雑な心理描写がズキズキと刺さる前半から、家族の秘密が暴かれる後半