井上荒野

週末は書店へ行こう!
 以前、とある営業をしていた。まだ若く、私は溌溂として、そういうところが「明るい」「感じが良い」とされ、取引先との関係も良好だった(と信じたい)。「今度プライベートで飲みに行こう」と腰に手を回されれば、「何言ってるんですかー!」と声を張り上げて、笑顔を返した。明るく、感じが良く、取引先との関係も良好な私は、こんな風に振
井上荒野さん
「あぶたま鍋」もしくは「とりたま鍋」と呼んでいた。どちらだったかも、もうわからない。母がどこかで覚えた鍋だった。ほとんど家から出ない人だったから、雑誌か何かでレシピを見たのか、あるいは父と一緒に食事の招待を受けるという年に数回程度のめずらしい機会に、どこかの料理屋でそれを食べたのか。
井上荒野さん
数年前、目に留まった新聞記事 「今回の本は、私の小説にしてはちょっとメッセージ性があるかもしれません。私はいじめが本当に嫌いだし、少女少年に死んでほしくないという気持ちがあるから」  人間同士が関わる