今村夏子
デビュー時から読み続けている作家さんが何人かいる。しかし書店員といえどもこの世に出ている全てを読んでいるわけではなく、苦手なジャンルもあり、最初はすっと身体になじんでいたものが、作品を追うごとになかなか咀嚼できなくなってしまい、読み続けることを挫折してしまうこともある。そんな中、デビューから15年たった今も唯一無二の
あんな女いなければいいのに、と思ったことはないだろうか。私はある。一番仲がいいと思っていた友達が、自分以外の子と仲良くしているのを見た時。彼氏の携帯に元カノの連絡先が残っているのを知った時。自分が大切にしている人や場所が奪われそうになった時、私の中に潜んでいたどろりとした感情が鎌首をもたげてくる。今村夏子の最新作には