古矢永塔子

思い出の味 ◈ 古矢永塔子
「何も味がしねぇや」というのが食卓での祖父の口癖だった。  私の故郷は、全国食塩消費量上位の青森県。祖父はとにかく味が濃いものを好んだ。母が作った料理に箸をつけると顔をしかめ、醤油瓶に手を伸ばすのが常
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味覚は人としての軸や自信に繋がるぶん 他人に否定されたり支配されるのは怖い  山本一力、柏井壽、小山薫堂各氏を選考委員として新設された「日本おいしい小説大賞」。その第1回受賞者となった古矢永塔子氏にと
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 普通のジジイ  第一回日本おいしい小説大賞受賞作『七度笑えば、恋の味』を出版するにあたり、初めに上がった議題が「七十二歳と二十八歳の間に恋は生まれるのか」だった。小学館での初めての打ち合わせで、担当