畑野智美

畑野智美『若葉荘の暮らし』
コロナ禍で夢見た暮らし 一昨年の二月、私は世界が変わる音を聞いた気がした。知人との別れ際に「感染症がはやっているから気をつけて」と言い合ったものの、ことの大きさを理解していなかった。ただ、なぜか、そこを境目に元には戻れなくなることを感じていた。数日後、世の中の状況は急激に変わっていく。外出を控えるように言われ、楽しみに
hatanosan
 2010年のデビュー以降、途切れることなく質の高い小説を発表し続けている畑野智美さん。吉川英治文学新人賞の連続候補になるなど、ストーリーテラーの評価を着実なものにしています。新作『大人になったら、』は、カフェで副店長をしている女性を主人公にした恋愛小説。結婚や仕事で決断を迫られる、30代半ばの独身女性の惑いや憂いを、