ハクマン 部屋と締切(デッドエンド)と私 第136回
作家や担当編集の
やる気にかかっている。
前回、漫画を描くだけではなく、漫画を宣伝することも漫画家の仕事になりつつあるという話をした。
文句ばかり言っているが、これに関しては本当に嫌というわけではない。ただ俺たちは永遠のトンガリキッズなのだ。
勉強する気はあっても、お母さんに「たまには勉強しなさい」と先手を取られた時点で「今やろうと思ってたのに」と全てのやる気をなくしニンテンドーにダイレクト switch してしまうように、自著を宣伝する気はあるが、編集側から「こんな感じで宣伝してください」と言われると「これは漫画家の仕事なんですかねー!?」と、急に問題提起してしまうのだ。
しかし「SNSに関しては編集より作家本人が宣伝した方が効果的」という現状は健全であり、命拾いしている、と言っても過言ではない。
言うまでもないが、ゴミや所持者不明の陰毛だらけになっている命を這いつくばって拾っているのは編集側である。
もし「作家より編集がSNSで宣伝した方が効果的」となったら、作家はSNSで宣伝をしてくれない担当を末代まで恨む以前に、そいつを末代にしてしまうからだ。
例えすでに子孫を残していたとしても「娘さんカワイイ盛りですね?」「ほう…今年からJD…誘惑が多い年ごろですね」と嫌な圧を10年計画でかけ続けるだろう。
宣伝には金がかかるので「お前に出せる宣伝費はねえ」と言われたら、「わかる」と納得するしかないのだが、SNSでの宣伝は、時間や労力は多少かかっても、費用に関してはほぼゼロでできるのである。
つまり「お前のやる気の問題じゃないか?」と思ってしまうのだ。
もしかしたら、編集部のネットは未だにダイヤルアップ接続であり、23時以前の使用は不可、50KB以上の画像を扱うとPCが固まるのでSNSに試し読みをあげるなんてとても無理、という実情があるのかもしれない。
しかし、1巻の売上が低迷している作家は産後の獣より気が立っているので「何故こいつはもっとSNSとかで宣伝してくれないのか、やる気がないのか」などの怒りが募りがちがちなのだ。