韓国発大ベストセラー『不便なコンビニ2』著者 キム・ホヨン × 海外でも大ヒット『森崎書店の日々』著者 八木沢里志による日韓ヒーリング小説対談

韓国発大ベストセラー『不便なコンビニ2』の著者と海外でも大ヒット『森崎書店の日々』の著者による日韓ヒーリング小説対談_サムネ

 韓国で累計170万部超、ウェブトゥーン化に舞台化・映像化と社会現象を起こし、海外でも次々にベストセラーとなっているKヒーリング小説『不便なコンビニ』。2025年3月上旬、続編『不便なコンビニ2』の邦訳版出版を記念し、韓国書籍専門店CHEKCCORI(神保町)にて著者のキム・ホヨンさんと、『森崎書店の日々』の著者・八木沢里志さんのトークイベントが開催されました。

韓国発大ベストセラー『不便なコンビニ2』の著者と海外でも大ヒット『森崎書店の日々』の著者による日韓ヒーリング小説対談

『森崎書店の日々』はイタリア、イギリスを始め世界中でベストセラーとなり、昨年にはブリティッシュ・ブックアワード小説デビュー作部門にノミネート、海外で大きな成功を収めた日本を代表するヒーリング小説です。そんな『森崎書店の日々』を追うように、『不便なコンビニ』もアジア、ヨーロッパや南米で翻訳出版され、この6月には英語版も刊行予定。「そういう意味で、八木沢さんは私の先輩。道筋を作ってくれて感謝でいっぱい」というキムさんと、「『不便なコンビニ』のファンなんです。同じヒーリング小説の書き手として、聞きたいことがたくさん」という八木沢さん。そんなふたりの夢の対談イベントに、大勢の読者が集結しました。

 大学時代の先輩の経営するコンビニを訪れた帰り道でふと降りてきたという『不便なコンビニ』のタイトル誕生秘話にはじまり、執筆スタイルについて話題が及ぶと「タイトルと、出発点・結末を決めてから書く」とキムさん。対して八木沢さんは「僕は事前にきっちり構想を立てずに出たとこ勝負で書くタイプだけど、これって良くないかも……?」。するとすかさずキムさんが、「それが八木沢さんの作品に流れる自由な空気に繫がっている。うらやましいです」と応えるなど、終始互いへのリスペクトに溢れた対談に。

 そんな中で意見が一致したのは、「続編を書くのは本当に難しい」ということ。同じ設定を使って異なる物語を生み出す苦労は並大抵ではなく、ふたりとも出版社からの依頼に最初は後ろ向きだったとか。結果的には「書いて良かった。作家として成長できた」と思えたものの、3作目については当分未定、というふたり。「続編は病(やまい)」という八木沢さんに「同類相憐れむ」とキムさんが応えるなど、シリーズ作品をもつ作家ならではの絶妙なやりとりで会場を笑わせました。

韓国発大ベストセラー『不便なコンビニ2』の著者と海外でも大ヒット『森崎書店の日々』の著者による日韓ヒーリング小説対談

テレビ局の取材を受けるキムさん

 対談後にはキムさんのサイン会が行われ、東北や近畿など遠方から駆けつけたという参加者、原書を持ち韓国語でキムさんと会話する熱い参加者の姿も。K-BOOKの勢いと熱量を感じさせる、濃密なイベントとなりました。

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不便なコンビニ2

『不便なコンビニ2』
著/キム・ホヨン 訳/米津篤八

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