【京都市アート × ビジネス推進拠点「器」コラボ】赤神諒「七分咲き(前編)」バナーイラストコンテスト受賞作品発表&後編アート作品募集!

赤神諒_七分咲き_コンテスト

STORY BOX」が京都市アート×ビジネス推進拠点「器」とコラボレーションし開催した、赤神諒氏による読切小説「七分咲き(前編)」のバナーイラストコンテスト。選考の結果、大賞を蘭香津美さんの作品に決定、その他、協力企業によるerumina賞(有限会社BESTPLAY)とHACKK TAG賞(株式会社IDEABLE WORKS)、審査員による特別賞をそれぞれ1作ずつ選出させていただきました。たくさんのご応募をありがとうございました。
 本記事では、受賞作品を赤神諒氏はじめ審査員のコメントと共にご紹介します。受賞作は、本日より丸善京都本店にてデジタル額縁でも展示されます(2024年5月7日まで)。
 
 また、大賞作品は本日配信の「STORY BOX」5月号に掲載されている「七分咲き(前編)」のバナーとなっています。小説とあわせてご堪能ください。

赤神諒「七分咲き(前編)」
バナーイラストコンテスト

 大賞  蘭香津美

七分咲き_コンテスト_蘭香津美_赤神諒
蘭香津美 (あららぎ・かづみ)
長野県飯田市出身、名古屋市在住。細密画家、イラストレーター。子供造形教室「黒猫工作室」代表、放課後等デイサービスアートディレクター。▶︎ instagram

 erumina賞  田中みゆ紀

七分咲き_コンテスト_田中みゆ紀_赤神諒

 HACKK TAG賞  仙 -sen-

七分咲き_コンテスト_仙sen_赤神諒

 審査員特別賞  

七分咲き_コンテスト_ぽ_赤神諒

審査員コメント

赤神 諒(作家)
 甲乙つけがたい秀作ぞろいの中でも、ぽさん、仙 -sen- さんの両作品は驚異の画力で、引き込まれるような世界観が構築されていました。悩んだのですが、蘭香津美さんの作品にはさらに橋や花、恋という小説の要素が盛り込まれており、小説とアートのコラボの観点から推しました。小説との関係が見え辛いという点で惜しくも大賞から漏れた田中みゆ紀さんの作品も、大変美しいと思いました。素敵な作品をたくさんご応募くださり、感謝感激です!

山本麻友美(京都芸術センター副館長)
 小説からインスピレーションを得て、イメージを形にする作業は、楽しいものではないかと想像します。しかし同時にそれは、小説の内容を単になぞるだけではない、アーティスト同士の応答でもあります。
 今回ご応募いただいた作品はどれも、赤神先生によって生み出された物語に新たな視点を与え、また次の想像力を刺激する力を持ったものばかりでした。特に大賞に選出された蘭香津美さんの作品には、物語への深い洞察とリスペクトを感じるとともに、蘭さんご自身のオリジナリティと高い技術が融合しており強く印象に残りました。ぽさんの余白を残した抽象化の技量と構成力、仙 -sen- さんの独自性の高い繊細なタッチで生み出される世界観、田中みゆ紀さんの美しく時空の広がりを感じる点描にも魅力を感じます。第2回の公募、物語の後半を彩る作品にも期待しています。

富岡 薫(編集者)
 募集時に公開されたのは、200字にも満たないあらすじ。その200文字から、こんなにも多彩で美しい世界が広がっていくとは……皆様の想像力とセンスに圧倒されたコンテストでした。中でも小説のタイトルやモチーフ、雰囲気を多く掬い取り、唯一無二の世界に昇華してくださった蘭さんの作品は、大賞に相応しいと考えております。デザイナー・西村弘美さんによる作品バナーとしてのデザイン、そして赤神諒さんが紡ぎ出す小説作品、それぞれのプロたちのコラボレーションも素晴らしいので、ぜひ「STORY BOX」5月号をご覧ください。

HACKK TAG(株式会社IDEABLE WORKS)
 小説の世界観を人物を通して感じることができる素晴らしい作品でした。小説とアートの新しい鑑賞体験を想像し、選ばせていただきました。

erumina(有限会社BESTPLAY)
 素晴らしい作品をありがとうございます。京都を舞台にした小説に向けた作品ということ、eruminaの運営元である弊社も長年京都で事業をしていることもあり、点描曼荼羅画でしっかりと京都らしい和の表現がされていることに感動いたしました。eruminaとして今後ぜひ点描曼荼羅画とコラボレーションさせていただきたいと思い、田中みゆ紀さんの作品を選出させていただきました。

入選作品の展示
株式会社IDEABLEWORKSが提供するデジタル額縁で入選作品を展示します。

場所:丸善京都本店B1F(京都市中京区河原町通三条下ル山崎町251)
期間:2024年4月10日(水)〜 5月7日(火)


「七分咲き(後編)」バナーのためのアート作品募集開始!

 前編に続き「STORY BOX」7月号(6月10日配信)に掲載予定の「七分咲き(後編)」バナーのためのアート作品を募集いたします。下記、あらすじから浮かんだ作品イメージをご応募ください。

募集内容
【お題】赤神諒「七分咲き(後編)」雑誌掲載時バナーのためのアート作品

【募集期間】2024年4月10日(水)10:00 ~ 5月9日(木)23:59

【発表】2024年6月10日(水)頃予定

【募集要項・応募フォーム】アート×ビジネス推進拠点「器」のnoteをご確認ください。

「七分咲き(後編)」あらすじ
 身分を隠した沖田総司と、医者の娘・沙羅。恋花はゆっくりと咲き始めるも、任務の真の目的を達成した総司は、沙羅との逢瀬を禁じられてしまう。
 池田屋に踏み込んだ夜、返り血と自らの喀血でダンダラ羽織を赤く染めた総司は、ふらつきながら三条大橋まで辿り着く。沙羅に一目会いたい──初めて近藤の命に背く覚悟を決めたとき、そこに現れたのは桂小五郎だった。互いの譲れないものを賭けた、橋上の剣戟が火蓋を切る。

著者・赤神諒について
 1972年京都府生まれ。上智大学教授、弁護士。2017年『大友二階崩れ』(「義と愛と」改題)で第9回日経小説大賞を受賞しデビュー。23年『はぐれ鴉』で第25回大藪春彦賞を受賞。近著に『友よ』『誾』『火山に馳す 浅間大変秘抄』『佐渡絢爛』などがある。
 
京都芸術センター アート×ビジネス推進拠点「器」について
 京都市では、アーティストの創作発表活動の支援を行う京都芸術センターを拠点に、アート×ビジネス推進事業を展開しています。施設の一部をスタートアップやソーシャルビジネスなどの企業・起業家向けのオフィスとして貸し出すほか、京都芸術センターが有する多様な創造力を活かし、アートとビジネスの融合を目指し、交流会や、セミナーやワークショップ、マッチング事業などを実施しています。
 
erumina(有限会社BESTPLAY)について
 有限会社BESTPLAYは、クリエイターの創作意欲に火を付けるメディア「erumina(エルミナ)」を運営しています。クリエイターの想い、価値観、表現へ探求、活動する環境をより多くのファンの方々へ様々な視点で提供し、また、erumina登録クリエイターが使用できるコミュニティサロンを京都芸術センター内で運営しています。
 
HACKK TAG(株式会社IDEABLE WORKS)について
 株式会社IDEABLE WORKSは、アートと社会がより良く結びつき、アーティストが価値を提供し続けられる社会インフラとなることを目指すスタートアップ企業です。オンラインとオフラインを融合したギャラリープラットフォーム「HACKK TAG(ハックタグ)」では、アーティストの創作活動をもっと自在にするためのWEBサービスや、デジタル額縁を活用した配信型のギャラリーサービスを提供しています。

 一同引き続き、皆さんの自由な発想による力作をお待ちしております。

 

\「七分咲き(前編)」掲載号はこちら/

STORY BOX 5月号

◎編集者コラム◎ 『さよなら、田中さん』鈴木るりか
ハクマン 部屋と締切(デッドエンド)と私 第129回