◎編集者コラム◎ 『ロボット・イン・ザ・ホスピタル』デボラ・インストール 訳/松原葉子
◎編集者コラム◎
『ロボット・イン・ザ・ホスピタル』デボラ・インストール 訳/松原葉子
こんにちは。ロボ担です。タングファンの皆さま、大変お待たせしました。
約2年ぶりに、タング&ベンのぽんこつコンビとファミリーが帰ってきました!! シリーズ第5弾『ロボット・イン・ザ・ホスピタル』をお届けします。
第1作『ロボット・イン・ザ・ガーデン』をご紹介したのが6年前。世界各国で翻訳刊行されたこの作品ですが、とりわけ日本でタングが愛され、第2作『ロボット・イン・ザ・ハウス』、第3作『ロボット・イン・ザ・スクール』、第4作『ロボット・イン・ザ・ファミリー』と日本で巻を重ねて参りました。そのたびに「タング可愛い!」「タングのファンになったよ!」という皆さまの声が届き、著者のデボラ・インストールさんはもちろん、スタッフ一同もまた、まるでわが子が愛されているような気分を味わい、たくさんの幸せを頂きました。本シリーズを支えて下さった皆さまに、改めて心からお礼を申し上げます。
この6年の間に、本当にたくさんの「幸せ」がありました。
一昨年には劇団四季によってミュージカルとなりました。最初は一体どうやってタングを舞台で表現するの……? と思っていましたが、2人の俳優によって操作されるパペットのタングのなんと可愛いこと! あれよあれよという間に人気者となり、今も全国の劇場でたくさんの観客を魅了しています。
そしてこの夏にはいよいよ二宮和也さん主演の映画『TANG タング』として全国公開することに……! VFXによる映画のタングもまた、小さな子どものような仕草や言葉にキュンキュンさせられ、家に連れ帰りたくなるほど超キュート。
文庫本のカバーを彩る絵本作家・酒井駒子さんの装画も含め、こんな風に様々な形で魅力いっぱいに表現されるタングもまた、本当に幸せなロボットだとしみじみ感じています。
さて、最新刊『ロボット・イン・ザ・ホスピタル』。これまで、庭→家→学校→家族……と来て、今度はなぜ「病院?」と思う方もいらっしゃるかもしれません。現実と並行するように、タングたちのいる世界にもパンデミックがあり、今回描かれるのはそのパンデミックが明けた後。とはいえ、ようやく落ち着いた……なんてことはなく、チェンバーズ家は今日もてんやわんや、ベン&エイミー夫婦はてんてこまい。今回もまた、様々なトラブルが一家や仲間たちを襲います。そしてタングは何度も病院へ行くことに……。
ベンと出会ってすでに10年近くが経過し、タングも今やすっかりティーンエイジャー。いっぱしの口をきいたり、素っ気ない態度を見せたり……。そんな生意気盛りのタングですが、時にその成長にはっとさせられる場面もあり、3歳児状態からタングを見守ってきたロボ担としては、「立派になっちゃって……」と、嬉しさと寂しさで胸がいっぱい。
実は本作では、タングがずっと胸に抱いていた夢に向かって一歩を踏み出します。読者の皆さまには、そんなタングの歩みを見届けて頂ければと思います。そしてぜひ、劇場や映画館でのタングの活躍もご覧下さい! この可愛いぽんこつロボットを通して、じんわりあったかい気持ちを皆さんと共有出来たら、ロボ担、こんなに嬉しいことはありません。
──『ロボット・イン・ザ・ホスピタル』担当者より
『ロボット・イン・ザ・ホスピタル』
デボラ・インストール 訳/松原葉子