◎編集者コラム◎ 『ロボット・イン・ザ・ファミリー』著/デボラ・インストール 訳/松原葉子

◎編集者コラム◎

『ロボット・イン・ザ・ファミリー』著/デボラ・インストール 訳/松原葉子


ロボット

「これは次もあるのでは……?」

 こんにちは。前作『ロボット・イン・ザ・スクール』の感想レビューにちらほらと上がるそんな声を見つけては、読者のみなさまのこのシリーズへの期待を感じて一人にやけていた編集者です。

 このシリーズを応援してくださっている読者のみなさま、そしてこれから読んでみよっかな~と思っている方々にも、イギリスの著者デボラ・インストールさんに代わって心からのお礼を申し上げます。おかげさまで、第1作『ロボット・イン・ザ・ガーデン』はこの10月から劇団四季によるミュージカルが開幕(パペットのタングがこれまた可愛いのです!!)、さらにさらに……なんと、映画化も決定しました!!!!パチパチパチ!!!!……これもひとえに、このシリーズの面白さやタングの可愛さをいろいろなところで広めてくださっているみなさまのおかげです。本当にありがとうございます!!

 さあ、お待たせしました。第4作『ロボット・イン・ザ・ファミリー』をお届けします。前作の最後に登場した謎のロボット・フランキー。本作には、このフランキーがメインキャラの一人(一体?)として登場します。

 本を読む前に、ぜひ、酒井駒子さんによるカバー画をご覧ください(冒頭写真)。向かって右端にいるのが、この新ロボ・フランキー。左端の四角い箱型ロボ・タングに対して、フランキーは筒型ロボット。頭はドーム型、胴体の脇には車輪、手にはゴム手袋。そして、どこかタングに通じるぽんこつ感……。フランキーは一体なぜここにやって来たのか、何のために作られたのか。本作では、そんな「謎解き」も愉しんで頂けるのではないかと思います。

 もちろん、タングをはじめ、40歳になった「元ダメ男」ベンと弁護士の妻のエイミー、そして娘ボニーのチェンバーズ一家、さらにベンの姉ブライオニーの一家も加わり、相変わらずてんやわんやの匂いが。そんな中で大人も子どももロボットも、それぞれの問題に直面しながら少しずつ成長していく姿は本作でも健在です。

 そして巻末には、著者のデボラさんから日本の読者への贈り物・短篇『ロボット・イン・ザ・パンデミック』も収録しています。イギリスのデボラさんも日本の私たちと同じようにステイホームの日々を送っていますが、そんな中で本作の執筆を思いついたそうです。タングのいる世界でもパンデミックが起こり、そんな中で彼が立ち上がります……。

 コロナ禍で疲れた心を、この短篇と本作『ファミリー』を読んで少しでも癒やして頂ければ幸いです。そして、劇場や映画館で活躍するタングとベンの「ぽんこつコンビ」にも、ぜひぜひご期待ください!!

──『ロボット・イン・ザ・ファミリー』担当者より

ロボット・イン・ザ・ファミリー

『ロボット・イン・ザ・ファミリー』
著/デボラ・インストール 訳/松原葉子

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