ハクマン 部屋と締切(デッドエンド)と私 第108回
炎上回避は難しい。
私も嘘と自作自演で
いつ燃えるかわからない。
先日某漫画家が大炎上したようだ。
しかし、何で燃えたのかは正直「わからない」のである。
炎上内容を調べなかったわけではない、だが女性問題から離婚問題、脅迫、賭博、自作自演、経歴詐称など、火元と思しきものが多すぎて、私が警察なら「出火原因は不明」と発表せざるを得ない状況なのである。
この話を振ってきた別担当も、炎上内容が過積載すぎて、食事中に食べ疲れした乳幼児のように意識がもうろうとしてしまい「全貌を把握するのは困難」と評している。
私たちと同様に、炎上内容を把握しきる前にオギャってしまった人が多かったのか、リーク当日には爆発炎上していたものの、意外とすぐに話題から消えた印象である。
私も人の醜聞は好きかと問われれば、「まあイケる口です」と盃を傾けるジェスチャーつきで答える程度には下世話な人間だ。
しかしゲスな話題も適量か、ちょっと足りないぐらいだからこそ、それを肴に飲んでいる連中も「もっとねえのか?」とおかわりしたり、もっと叩いてホコリを出させようとするのだ。
最初から粉塵爆発を見せられると面白がるより「逃げねば」という防衛本能が働き、集まった野次馬もすぐに解散してしまうのかもしれない。
実際ここまでネタが大盛りだと醜聞好きの人間とて魚民で地元のパイセンの壮大な武勇伝を聞かされている時のように意識が飛んでしまうものである。
あそこまで大量の裏アカ、LINEのスクショが出回ると、さすがに全部本当ではないだろうと、逆にリーク元の方も疑わしくなってくるものだ。
SNSの普及で誰もが炎上の可能性がある昨今、「炎上した場合の対処法」も日々研究されているが、結局謝るべきところは謝って、あとは火が落ち着くのを待つしかないというのが現状である。
しかし、今回のように火に油を注ごうと集まった民衆がドン引きする勢いでガソリンを連続投下するという鎮火方法もあると判明したので炎上道も奥が深い。
今回の件は「漫画家の炎上」という枠を遥かに超えており、これを反面教師とするのは石原さとみを見て「こうならないように気をつけよう」と言っているようなもので、むしろ真似したくてもできない。