ハクマン 部屋と締切(デッドエンド)と私 第143回
他人の不幸フリークには
「末路」は極めて
人気のフレーズだ。
しかし、私も実は不幸ソムリエを激怒させる側になったこともある。
女性週刊誌からソシャゲについてインタビューさせてくれと言われたので「金はクソかかるけど推しが出たので控えめに言って最高」という旨の話をしたら「ソシャゲ依存漫画家が語る」「楽しみより苦しく恐ろしい時間が続く」という末路を期待せざる得ない見出しをつけられていた。
ちなみに私の前に紹介されていたのはソシャゲにハマった主婦のAさんで、課金しすぎて貯金やカードローンに手を出し、夫には離婚をつきつけられるという、まさに我々が望む「末路」を披露してくれている。
そしてAさんが温めた会場に「16万使ったけど推しが出たからOKです!」と、眞子様ご婚約の報を聞いた青年のような笑顔のオタクがダブルピースで現れたのだから、ソムリエたちには本当に申し訳なかったし、最高のパフォーマンスをしたAさんにも面目が立たない。
だが、オタクがゲームに対し早口になっている様など、女性週刊誌の読者には需要がないのだから仕方がない。
しかし、漫画の場合内容が伴わなくてもとりあえずクリックされるタイトルをつけておけばよいというわけではない。
「タイトル詐欺」などの低評価レビューをつけられるし、それを繰り返すと「どうせサムネマジックだろう」と言われて誰も食いつかなくなる。
だが単発記事の場合はその限りではない。
もしインタビューを受ける機会があったらちゃんとタイトルや見出しまで確認した方がいい、挫折をバネに羽ばたいた話が地上に激突しただけの話にされていることもある。
(つづく)
次回更新予定日 2024-11-27