【クイズ】この改題がスゴい! 『The Body』など、原作小説名から映画タイトルを当てろ

書籍の映画化などが決定すると、原作ファンの中でたびたび話題になる“改題”。今回は、大ヒットした有名映画の原作となった文学作品のタイトルとあらすじから、改題後の作品名を当てていただくクイズを作りました!

連載作品の書籍化が決定したときや、書籍の映画化が決定したとき。ファンの心は浮き立ちますが、同時に、「このままのタイトルをそのまま作品化してくれるのかな……?」という不安に駆られる方も少なくないのではないでしょうか。

書籍化や映画化にあたっての作品の“改題”は、原作ファンにとって諸刃の剣。最近も、とあるWeb発のライトノベル書籍のタイトルがWeb連載時の原作とは180度方向性の違う長大なタイトルに変更され、賛否両論の議論を巻き起こす……、という事件もありました。

今回はそんな作品の映画化に当たっての “改題”にスポットを当て、原作となった文学作品のタイトルとあらすじから、改題後の作品名を当てていただくクイズを作りました。初級編から上級編までの改題クイズ、ぜひチャレンジしてみてください!

初級編【第1問】

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次の原作タイトルと作品のあらすじから、ある有名な映画の“改題後の作品名”を当ててください。

【原作タイトル】

The Notebook(ザ・ノートブック)

【原作あらすじ】

老人ホームで暮らすひとりのおじいさんの日課は、あるおばあさんの部屋で1冊のノートに綴られた物語の“読み聞かせ”をすること。そのノートに書かれた内容は、ふたりの若者の恋物語で……。

 
 

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答え:『きみに読む物語』

 
【解説】
ザノートブック
出典:https://www.amazon.co.jp/dp/0446605239/

この問題は、ちょっと簡単だったかもしれません。原作の小説『ザ・ノートブック』は、アメリカのベストセラー作家ニコラス・スパークスが1996年に発表した作品。この作品をもとに2004年に製作された映画『きみに読む物語』は、世界的な大ヒットを呼びました。

日本での映画化にあたり、公開タイトルは大きく変更されたものの、そのストーリーはほぼ原作通り。原作者のニコラス・スパークスの作品は18作中11作と高確率で映画化されており、2016年には『The choice』(ザ・チョイス)と題された長編小説が、日本では『きみがくれた物語』として公開されています。


初級編【第2問】

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次の原作タイトルと作品のあらすじから、ある有名な映画の“改題後の作品名”を当ててください。

【原作タイトル】

The Body(死体)

【原作あらすじ】

アメリカの小さな街に住む12歳の4名の少年たちは、いつも一緒だった。ある日、少年たちのうちのひとりが、年上の不良グループから「列車にはねられた少年の死体が置かれたままになっている」という話を聞き……。

 
 

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答え:『スタンド・バイ・ミー』

 
【解説】
ザボディ
『The Body』収録/出典:https://www.amazon.co.jp/dp/144472360X/

『The Body』という少し不穏なタイトルの原作は、ホラー小説の大御所・スティーブン・キングによる中編小説集『Different Seasons』(恐怖の四季)のうちの1編です。1982年に発表されたこの作品は、1986年に映画『Stand by Me』として公開され、全世界を熱狂させる大ヒットを記録しました。

作品集『Different Seasons』は、ホラー小説のイメージが強いスティーブン・キング作品の中では異色とも言える、“非ホラー作品集”。『The Body』は四季それぞれに重ねられた小説のうち、“秋”の作品として収録されています。スタンド・バイ・ミーは夏の映画、というイメージが強い方にとっては、少し驚く原作トリビアかもしれません。


中級編【第3問】

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【原作タイトル】

Rita Hayworth and Shawshank Redemption(刑務所のリタ・ヘイワース)

【原作あらすじ】

殺人の罪で刑務所に長年収監されているレッド。劣悪な環境のその刑務所に、妻と愛人を殺した罪で“ある男”が投獄されてくる。彼は自分は無罪だと訴え、刑務所の環境を変えようと奔走するが……。

 
 

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答え:『ショーシャンクの空に』

 
【解説】
ザボディ
『Rita Hayworth and Shawshank Redemption』収録/出典:https://www.amazon.co.jp/dp/144472360X/

『刑務所のリタ・ヘイワース』と題されたこの作品、実は『ザ・ボディ』と同じくスティーブン・キングによる中編小説集『Different Seasons』(恐怖の四季)に収録された1編です。『刑務所のリタ・ヘイワース』は“春”の作品となっており、こちらもほぼ原作通りのストーリーで、1994年に映画化されました。

原作のタイトルとなっているリタ・ヘイワースは、1940年代にセックス・シンボルとして一斉を風靡したアメリカの女優。原作・映画ともに、長年収監されている主人公のレッドと、冤罪で服役するアンディーが絆を深めるきっかけとして登場するのが、このリタ・ヘイワースの“ポスター”なのです。
映画の邦題『ショーシャンクの空に』も美しいタイトルではありますが、『刑務所のリタ・ヘイワース』も、異質なもの同士の組み合わせで想像がかき立てられる名タイトルです。


上級編【第4問】

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次の原作タイトルと作品のあらすじから、ある有名な映画の“改題後の作品名”を当ててください。

【原作タイトル】

キングの身代金(King’s ransom)

【原作あらすじ】

野心家の主人公のもとに、彼の息子を誘拐したから身代金を払えという連絡が入る。しかし、彼の息子は無事だった。いたずらかと思いきや、主人公の運転手の息子が誤って誘拐されていることがわかり……。

 
 

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答え:『天国と地獄』

 
【解説】
キングの身代金
出典:https://www.amazon.co.jp/dp/4150707618/

1963年に公開された黒澤明の映画『天国と地獄』。この作品の原作が、アメリカの推理小説家、エド・マクベインによる警察小説『キングの身代金』であることは、意外と知られていない事実なのではないでしょうか。

原作となった『キングの身代金』は、資産家・キングの息子を狙った誘拐犯が誤ってキングの専属運転手の息子を誘拐してしまい、キングは莫大な身代金を払って罪のない子どもを助けるべきか葛藤する……というストーリー。黒澤明の映画では、原作の筋はほとんどそのままに、舞台がアメリカではなく横浜の山手地区に置き換えられています。
黒澤明は1960年代当時の誘拐罪の刑罰の軽さにかねてより疑問を抱いており、そこに一石を投じる意味も込めてこの作品を映画化した、とのちに劇場公開時のパンフレットの中で語っています 。


上級編【第5問】

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次の原作タイトルと作品のあらすじから、ある有名な映画の“改題後の作品名”を当ててください。

【原作タイトル】

『一人だけの軍隊』(First Blood)

【原作あらすじ】

ケンタッキー州マディソンでヒッチハイクをしていた一人の帰還兵。彼の姿を見かけた保安官が、いかにもトラブルを起こしそうな外見の帰還兵に偏見を持ち、「この街に入るな」と街の外れに連行してしまう。しかし、帰還兵はその態度に腹を立て……。

 
 

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答え:『ランボー』

 
【解説】
ランボー
出典:https://www.amazon.co.jp/dp/075534667X/

1982年公開の大ヒットアクション映画『ランボー』。この作品の原作は、冒険小説やホラー小説を数多く手がけるアメリカの小説家、デイヴィッド・マレルの処女作『一人だけの軍隊』です。

映画版『ランボー』をご覧になった方は、孤独に闘う主人公・ランボーの姿に胸を熱くしたのではないでしょうか。映画はランボーが投降し警察に連行されていくシーンで幕を下ろしますが、実は原作の結末は、ランボーが自殺に失敗し射殺されるという衝撃的なものでした。
映画の大ヒットを受け、原作者のデイヴィット・マレルは映画版第2作の『ランボー/怒りの脱出』、第3作の『ランボー3/怒りのアフガン』のノベライズを担当しています。彼は「私の著書の中では彼は死んだが、映画では生き残った」として、一度は死んだランボーを作品の中で生き返らせました。


おわりに

“改題”クイズ、みなさんは何問正解できましたか? あらすじから映画の作品名を想像できた方も、原作となった小説のタイトルは知らなかったという方が多いのではないでしょうか。

今回ご紹介した原作小説には洋書のものも多いですが、原文で読んでもさほど難解ではない作品もあります(特に、スティーブン・キングの『Different Seasons』は洋書の入門編としてもオススメです)。
今回のクイズに登場した映画の中にお気に入りの作品があった方は、この機会にぜひ、その原作小説にも手を伸ばしてみてください!

初出:P+D MAGAZINE(2019/03/28)

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