『スモールワールズ』一穂ミチ/著▷「2022年本屋大賞」ノミネート作を担当編集者が全力PR

『スモールワールズ』一穂ミチ/著▷「2022年本屋大賞」ノミネート作を担当編集者が全力PR

『スモールワールズ』の二つの顔


「この物語はきっと誰かの宝物になる、そう感じたのは、全国の書店員さんから寄せられた沢山の感想を読んだ時でした。この本を手に取って下さった皆様の大切な一冊になりますように」
 これは『スモールワールズ』の初版の帯に書いたキャッチコピーです。

 刊行にむけたプロモーションとして、プルーフ(簡易に製本した見本)を作り、全国の書店員さんに読んでいただいたところ、大きな反響が寄せられました。
 いただいた感想は、痛みや過去とともにあるそれぞれの人生に引き寄せて綴られたものばかり。こんなに個人の人生と響き合う物語なんだ、『スモールワールズ』は「きっと誰かの宝物になる」、そう確信しました。

 本屋大賞に投票して下さったお一人お一人の、人生の宝物になれたのだと思うと、ノミネートしていただけたことに改めて嬉しさが込み上げます。ノミネートをきっかけに、より多くの方の大切な一冊になれたらさらに嬉しいです。

 本屋大賞にノミネートされた際の重版帯には、こんなキャッチコピーを書きました。
「最終話に仕掛けられた一話目への伏線。気付いた瞬間、心を揺さぶる鳥肌モノの衝撃が襲う!」

本と原画

『スモールワールズ』には、「誰かの宝物になる」共感度の高い物語の魅力に加えて、「もうひとつの顔」があります。
「家族」をテーマに描かれた本書には、6編の短編が収録されています。それらは主人公も時代も違う独立した短編でもあり、ほんの少しずつ短編世界がクロスオーバーして世界を作っているひとつの大きな物語でもあります。
 短編それぞれを繋ぐ「秘密」のリンクに気付いた時、一穂さんが巧みに仕掛けた伏線に、上質なミステリーを読み終えた時のような衝撃を受けるはずです。
 二つの顔を持つ『スモールワールズ』の魅力を、ぜひ堪能していただきたいです。

「二つの顔」というと、著者の一穂ミチさんにも「二つの顔」があります。
 一穂さんは会社員として働いている兼業作家さんです。
「作家の顔」を隠しつづけ、15年になります。お母さまに「自分が作家であること」を初めて明かしたのも、2021年に直木賞候補に選ばれた時だったそうです。
 お母さまは、さぞかし驚かれたことと思います。兼業で作家をつづけデビュー15周年を迎える今年、「2022年本屋大賞」にノミネートされるというおめでたい出来事の裏で、実は大事件が起きていました……。「顔出しNG」の作家の日常を揺るがした事件とは!? 一穂さんご自身による「エッセイ」でぜひ真相をお楽しみください。
(「エッセイ」のリンクからお読み頂けます)

──講談社 文芸第三出版部 小泉直子


2022年本屋大賞ノミネート

スモールワールズ

スモールワールズ
著/一穂ミチ
講談社
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