ニコデモ

名もなき天才音楽家の軌跡と奇跡。藤谷治、渾身の小説。

週末は書店へ行こう! 目利き書店員のブックガイド 今回の目利きさん TSUTAYA 中万々店 山中由貴さん
 鳥肌が立つ、という表現は恐怖を感じたときにつかうものだと指摘されたことがあるけれど、感動が極まって全身をぶるっと震えが走ったとき、やはりぷつぷつ鳥肌が立つのは生理現象としてたしかにあることだ。本を読んでいてさーっと肌が粟立つほどの感情の高ぶりが起こると、ああこんなにも物語に没入していたんだなあと、はっとする。そこまで
藤谷 治さん『ニコデモ』
小説というのはある意味、歴史とは逆の表現形式だ 藤谷治さんの新作『ニコデモ』は、戦時中にフランスに留学していた青年と、北海道の開拓民となった家族の数奇な運命の物語。意外にも出発点は、「ファミリーヒストリーを書かないか」という依頼だったとか。さて、その経緯とは? 一人の男と、とある家族の不思議な縁 藤谷治さんの新作『ニコ
藤谷 治『ニコデモ』
足跡をたどる ──『ニコデモ』について── どんな家にも、遠い親戚にまつわる奇談のようなものが、ひとつやふたつはある。僕の母方の曽祖父の最初の結婚で生まれた長男、というのだから、遠いどころか親戚と言えるかどうかも判らないほどの人の話だ。この人は20世紀のはじめにフランス人と結婚して、子どももいたにもかかわらず、