丸山正樹

丸山正樹『ワンダフル・ライフ』
 聴覚障害を題材にした社会派ミステリー「デフ・ヴォイス」シリーズで知られる丸山正樹が、作家デビュー一〇年の節目となるタイミングで渾身の勝負作『ワンダフル・ライフ』を発表した。四組の男女からなる物語の内側に、自身の実人生をも取り込んだ本作は、ミステリーの要素が盛り込まれながらも人間ドラマとしてかつてない高みに到達している
今月のイチオシ本【ミステリー小説】
 それが、現実──。ままならない日々を、そう割り切って受け入れていく生き方も、ひとつの処世術といえるのかもしれない。けれどそうすることで、目を背け、距離を置き、冷遇しているなにかを忘れてないか。丸山正樹『ワンダフル・ライフ』は、複数のケースを提示し、ミステリの手法を用いて読み手に、その〝なにか〟の一端をのぞかせようと
丸山正樹さん
 シナリオライターとして活躍後、2011年に小説家デビューした丸山正樹さん。デビュー作『デフ・ヴォイス 法廷の手話通訳士』は、ろう者の犯罪に隠された真実を解き明かす、社会派ミステリーの秀作です。単行本刊行時は注目されなかったものの、リーダブルな構成と魅力的な人物描写が、読書サイトや書評家から根強い評価を得ていました。文庫化されて以降、支持の声はさらに高まり、現在は映像化を熱望されるベストセラーとなっています。第1作から『デフ・ヴォイス』はシリーズとして続き、6月末に最新作『慟哭は聴こえない』が発表されます。丸山さんに、同シリーズにこめた思いを、語っていただきました。