御木本あかり

「推してけ! 推してけ!」第24回 ◆『やっかいな食卓』(御木本あかり・著)
評者=北上次郎(文芸評論家) 六十九歳で初めて書いた小説とは信じられないほど、うまい。まず、文章が滑らかなのだ。これだけで驚く。というのは、新人賞の下読みをやっている者の実感として言うと、素人の書いた文章は、どこかぎくしゃくしていることが多い。いま話しているのは誰なのか、それがわからないことすらある。かといって、それを
御木本あかり『やっかいな食卓』
家族って面倒……から全てが始まった コロナ禍に襲われて早二年半。マスク着用、飲食・外出を控え、人とは距離を置く、等々あれやこれや。私達は日常を制限され、なにげない普通の日々がいかに貴重だったかを思い知らされたのでした。当たり前過ぎて考えもしませんでしたが、人と語らい、楽しく食事をするって、人として生きる大事な要素だった