森岡督行

 社会科の選択科目は「政治・経済」だった私にとって、歴史の授業は主に内職または睡眠に充てられた。本を読み、その登場人物を愛し、ストーリーを追いかけるのは何よりも好きだった少女が「歴史」にハマらなかったのは、ひたすら「点」を暗記するだけの作業に楽しさを見いだせなかったからだろう。
源流の人 第13回 ◇ 森岡督行 (「森岡書店」店主)
国内外を問わず注目を集めるオルタナティブ書店の先導者は、未曽有の事態の中、新たな仕事を紡ぎ出す。東京・銀座一丁目。華やかな彩りをまとう大通りから入った閑静な一角に、世界でも唯一無二の書店がある。店の名は「森岡書店」。一九二九(昭和四)年に建てられたクラシックなビルの一階の、白を基調とした、シンプルでモダンな空間だ。
 この度、はじめて文庫で本を出版させていただきました。単行本は、これまでも、何度か出版した経験がありましたが、文庫となると、また違う嬉しさがありました。私は、一九九八年に神保町の古本屋に就職したので、その後の茅場町、今の銀座と、かれこれ二十三年のあいだ、本を販売する仕事をしています。また本書にも書いた通り、それ以前も、
◎編集者コラム◎ 『荒野の古本屋』森岡督行
◎編集者コラム◎ 『荒野の古本屋』森岡督行 大都会の明かりを背に、本を携えつつ馬に乗るのは著者の森岡さん。イラストレーターの山口洋佑さんが森岡さん以上に森岡さんな装画を描いてく