相場英雄
素朴な疑問が出発点 〈こんなビジネスモデルで、どうやって経営を続けていくんだ?〉拙著『覇王の轍』は、こんな素朴な疑問が出発点となった。先に触れたビジネスモデルとは、〈ガラガラに空いた列車〉を指す。素人目にみても、将来的に破綻するのが目に見えていると映ったのだ。私事で恐縮だが、日頃の取材活動では自ら自動車やバイクを駆り、
「1ドル=150円」の円安局面に揺れた今秋。たしかBSの海外ニュースだったと思います。「日本バーゲンセール」というテロップのニュースが流れていました。コロナ禍で厳しくなった入国制限がようやく緩和され、日本が旅行者の滞在先として人気を集めているといった内容でした。衝撃的だったのは東南アジアの観光客が、日本は安くてうまい、
評者・相場英雄(作家) 盛り盛りの毒が全開! 超法規的捜査! 佐野晶という作家は不思議な人物だ。私を含め、作家を生業とするような人間は大概世間に順応できない変わり者、捻くれ者が多いが、その中でも同氏はかなり異質な存在だといえよう(褒めてます、念のため)。約二〇年前の見習い時代、勝手に師匠と仰ぐ大先輩作家からこんな言葉を
現実を直視せよ
『震える牛』の田川警部補シリーズは本作『アンダークラス』で3作目となる。同シリーズは、非常に手間と時間がかかる。着想から取材、そして執筆。書き上げた作品を鬼担当