◎編集者コラム◎ 『陽だまり翔馬平学記 永久の護衛士』早見 俊
◎編集者コラム◎
『陽だまり翔馬平学記 永久の護衛士』早見 俊
1ページ目をめくった途端、やめられなくなる長篇時代活劇、「陽だまり翔馬平学記」シリーズが、とうとう最終巻を迎えてしまいました。
よくよく考えてみると、今月発売された時代小説文庫の『死ぬがよく候〈五〉 雲』も最終巻!?
年度末らしいと言えば、年度末らしいのでありますが、えらく悲しい気分です……。なにせ、両作品とも担当させていただいておりましたから。
とはいえ、いつまでも沈んだままではいられません。気を取り直して、本作の紹介をば。
ほのぼのとした雰囲気を漂わせ、あたかも陽だまりでうたた寝する猫のような主人公、若き天才軍学者の沢村翔馬が今回敵対するのは、天魔源蔵なる北条忍者。
北条忍者と言えば、風魔が有名で、代々頭目は風魔小太郎を名乗ったと云われています。そして、身長はなんと七尺二寸(約2.2メートル)ほどもある巨体で、口は大きく裂け、牙が4本も突き出すという、尋常ならざる容貌をしていたと伝わっています。しかし、代々そんな容貌をしていたのでしょうか???
その風魔と天魔は表と裏の関係にあって、天魔は汚れ仕事を請け負っていたと、源蔵は言います。
北条氏が豊臣秀吉によって滅ぼされたのと同時に、風魔も天魔も絶滅危惧種の忍者党になってしまったようなのですが、どうやら源蔵は、松平信綱と朽木誠一郎の極悪コンビに取り入って、天魔の復権を企んでいるらしいのです。
しかも、この物騒な三人に加えて、北野川大納言の娘・貴子までもが加わるというではないですか!?
翔馬が護衛する由布も、同じ公家の姫──なにやら、ただならぬ因縁がありそうです。
もしも、ふたりの姫の関係が気になったら、そのままにしておいてはいけません。とても身体に悪いですから。
ぜひともご一読いただいて、気がかりを解消してくださいませ。
──『陽だまり翔馬平学記 永久の護衛士』担当者より