ハクマン 部屋と締切(デッドエンド)と私 第119回
すぐに理解できない
ところが多い作品は
むしろ良作である
「結局あの巨人は一体何だったんだ」
そう思い立って「進撃の巨人」のアニメ版視聴をはじめた。
そして、1週間かけて約90話見終わったところで「まだ完結してない」とはじめて気づかされたショックで危うく俺の物語が完結しかけたが、先日無事アニメ版も完結したようである。
しかし、私は「最終回放送まで俺が生きていると思うなふざけるな」という焦りから、ほぼアニメ版を追ってきたのに結末だけ原作を買って確認、そこでトーンダウンしてアニメ最終回はまだ見ていない。
進撃の巨人アニメはかなり原作に忠実らしいので、原作とアニメは全く別物というわけではないようだが、それでも私は今までずっとアニメ版エレン達の壮絶な生き様を追い、時には涙してきた。
それが突然最後だけ原作の、顔の縦線が7割増しのエレンたちの最期を見届けはじめるという考え得る限り最も最悪なルートを辿っているのだが、アニメ版は原作をさらにブラッシュアップした内容になっているようなので、その内確認したいと思う。
そんな世間が進撃アニメ完結に沸く中、今更「攻殻機動隊」の視聴をはじめた。
今更、というのは古いコンテンツという意味ではなく、ONE PIECEが面白いのはわかっているが今から107巻読むガッツがなかなか生まれないのと同じで「興味はあるが新規参入するには敷居が高そう」という意味である。
しかも、ONE PIECEであれば「ONE PIECEどこから入ればいい?」と問えば多くのワンピ識者が「1巻の1話目から読めクソタイパ野郎」と答えるだろうし、少なくとも「テレビアニメ1話目」と言うだろう。
攻殻機動隊シリーズも原作は漫画であり、そこから劇場版、テレビアニメシリーズ、海外実写版、さらには能までメディアミックスが多岐にわたっている。
だがそうは言っても漫画原作なのだから、漫画版の1話目から読めば間違いないはずである。
しかし、攻殻機動隊は必ずしもそうではないらしい。
攻殻機動隊識者に「ふーん、で、結局どこから入ればいいの?」とドストレートな質問をしてもフォカヌポゥとはならず、人によっては企業面接でトロッコ問題を出された人のように「まず俺にそのような重責を背負わせようとするお前を轢き殺す」という顔つきになる。