◎編集者コラム◎ 『タングル』真山仁
◎編集者コラム◎
『タングル』真山仁

日本の2023年度の科学技術研究費総額は22兆497億円で、過去最高を記録したとのこと。しかし現実には、技術大国とは言えない日本。一つにはわかりやすい研究でないものにはなかなか目が向けられないという現状がある。
『タングル』はそんな日本のリアルを描き、光量子コンピューターの実用化にむけて闘う人々の物語である。
文庫化にあたり解説をお願いしたのは、取材でたいへんお世話になった東京大学教授・古澤明先生。光量子コンピューター研究の世界的第一人者だ。解説から少し引用させていただく。
〜早乙女貴一教授は私をモチーフにしたとのことであるが、私には真山さん自身のように感じられる。常に前傾姿勢で、チャレンジ精神旺盛、さらに浪花節、正に真山さんそのものである。私もそのとおりなので、人のことは言えないが。何事もチャレンジしなければ何も起きない、あるいは「買わない宝くじは当たらない」わけで、真山さんも私も常にチャレンジし続けているのからこそ、大きな果実を手に入れていると思っている
何度もお二人の対話の現場に同席させていただいたわたしとしては、拝読しながら「うんうん」とうなずいてしまった。出会うべくして出会ってしまったお二人。
失敗すればすぐに落ち込んでしまう自分としては、この前向きな姿勢を大いに見習いたい。チャレンジ精神が様々なイノベーションを生み出すのだろう。
物語の終盤では、真山ファン、『ハゲタカ』ファンなら嬉しいサプライズも登場する。さらにはこのエピソードがもたらしたものも大きい。詳しくは解説をお読みください。
──『タングル』担当者より






