ハクマン 部屋と締切(デッドエンド)と私 第44回
いろんなタイプの編集者がいるが、
真面目な編集者ほど作家からの
評判が悪いという怪現象が起きる。
真面目な編集者ほど作家からの
評判が悪いという怪現象が起きる。
また、適当な担当には「遠慮なく激怒できる」という最大のメリットがある。
こちらは隙あらば担当を叱責したいし、出来ればツイッターでRT数が稼げるような失態を犯してほしいと思っている。
しかし、きちんとした担当だと、なかなかそういうミスをしないので、こちらも言いがかりをつけるしかなくなってくる。
よって一片の曇りもなく、こちらが正しいと確信をもって激怒できる担当というのはなかなか貴重なのだ。
よって、適当な担当に当たってしまい、主役の名前すら覚えてもらえず「あの麦わら帽子かぶったやつが…」と特徴とジェスチャーで打ち合わせせざるを得なくて悩んでいるという作家は、逆に「ここまで生身の人間を遠慮なく糾弾できることは二度とない」と前向きに考えてほしい。ピンチをチャンスに変えるというのはこういうことだ。
それにそういうタイプは常人であれば心療内科に通うレベルで怒っても大丈夫であり、むしろ相手を殴り続けて、いっぱい血が出てるなあと思ったら、全部自分の拳から出ている血だったということがよくある。
つまり後腐れがないので本音で向き合える、とも言えなくはない。
このように、編集者と一言で言っても色んなタイプがおり、その担当が悪いというより、相性によるところが非常に大きいので、担当が悪いわけでなくても相性が悪いと感じたら早めに替えた方がお互いのためな時もある。
ちなみに「ノリスケタイプ」は、どんなケースでもダメなので即刻チェンジである。
原稿待ちだからと言って、毎回隣の家で待って飯まで食うような奴が担当になったら、もうその町内にはいられない。本当にあいつは何を考えているのだ。
(つづく)