田島芽瑠の「読メル幸せ」第55回
第55回
11月になりました🎑
だんだんと日が暮れるのが早くなってきましたね。あっという間に寒い季節がやってきました。気づいたらもうあと1ヶ月半で2022年も終わります。皆さんはいかがお過ごしでしょうか?
私は久しぶりに実家にいます。というのも、福岡で12月9日から3日間行われる「山笠キックボーダーズ」という舞台に出演させていただくのでその稽古で福岡に帰ってきているんです! 一人暮らしの時とはちがって健康生活。母は偉大ですね。やっぱりお母さんのご飯が一番美味しいな〜☺️あったかい。父も送迎してくれたり、弟と息抜きでゲームしたり早めのお正月気分です。次東京行く時また寂しくなりそうだな〜。家の明かりがついていて、お風呂もご飯もあって部屋があったかくてそういう一つ一つがとても幸せなことなのだと改めて感じます。究極の寂しがりやなのでこれからの季節は特に温もりが恋しくなる😂イルミネーション見ると切なく感じる歳になりました笑
そんな温もりがほしくなるこの季節にぴったりの作品をご紹介します🌊
藤岡陽子さん作『海とジイ』。
瀬戸内の島を舞台に3人のジイの生き抜く力を、生きる事の大切さを、隣でそっと座って語ってくれているかのように静かに、優しく、でも熱く伝えてくれるそんな作品です。
3人のジイ達がそれぞれの生き様をみせてくれるのですが、どの物語も互いにリンクしているからこそ短編小説とは違った面白さがあってグッと惹き込まれました。いじめのせいで不登校になってしまった小学4年生の優生がひいおじいちゃんとの最後の約束を果たすために一歩踏み出す姿には思わず目頭が熱くなりました。子供の一歩ってすっごくすっごく大きくて、その覚悟と怖さがわかるからこそ胸が苦しくなったな。
この本の登場人物は皆何かと向き合い戦っていて、でもそれがリアルで私達も日々何かと向き合い続けている。そんな人間臭さがあるからこそ、ただ優しくてあったかいってだけでなく、芯のある情熱を感じる作品なのだと思います。
海と共に時代を生きている。我々が次の世代に移る時も、また始まる時も変わらず海はここにある。命のバトンを見守る海はどんな事を思っているのだろうか、読了後飛行機の窓から見える海を見ながらそんな事を思いました。
富でも名誉でもない。形ないものを残していく彼らはとてもかっこよかったです。私は最期何を残したいと思うのだろうか、、、。
何かを残せる人でありたいですね。
良い本の旅を、田島芽瑠でした。
(次回は12月中旬に更新予定です)