田島芽瑠の「読メル幸せ」第65回

田島芽瑠の読メル幸せ

第65回


9月になりましたね🌕

この季節の夕焼けがとても好きです。先日もピンクがかった綺麗な夕焼けをみて、なんだかぽやーっとした気持ちになりました😂だんだんと涼しくなってきましたね。これからどんどん寒くなるのかと思うと夏と秋の間の季節ももう少し長くなったらいいのになと思います。

私の今年の夏は SWEET LOVE SHOWER 2023 で締めくくりでました。フェスって短編小説集みたいで好きなんです。去年初めて参戦してからしっかりハマりまして、今年は3日間全て参戦しました🤣意外と体力が持って、若さを実感できて嬉しかったです☺️ 富士山を眺めながら音楽と遊んで、楽しすぎる夏の終わりでした。3日間とも富士山が綺麗に見えて、いつか富士山にも登ってみたいなと思いました。山の上で絶景を眺めながらおにぎりを頬張るのは今後やってみたいことの一つです。

さて今月紹介する本はこちら📕

小川糸さんのとわの庭です。

「読メル幸せ」第65回

表紙も素敵で、実家で本をテーブルに置いていたらお母さんから「この表紙かわいいね」と声をかけられました。

盲目の少女〝とわ〟は、日常から聞こえる様々な音やニオイ、感触、そして大好きな母の言葉からこの世界のことを一つ一つ覚えていく。母親なしでは暮らしていけないとわ。そんなとわの元から突然母親がいなくなり……。そこかしこに存在する恐怖がとわを苦しめます。冒頭を読んで、この物語はすごく温かい話なのだろうと予想していたのですが、「え、こんな展開?」とまさかの展開に驚きました。途中から本当に目を背けたくなるようなシーンが出てきて、「早く、早く救われてほしい……」と願う気持ちになりました。

「読メル幸せ」第65回

私達にとってたった1人のお母さんという存在。色々な親子の形があって一概には言えませんが、主人公のとわがどのような状況でも母を思う姿に、やはり母というのは特別で何にも替えられない結びつきがあるのだと思いました。とわのまっすぐさ、前向きさには勇気をもらいます。そんなとわだからこそ、周りの人に恵まれたのだと思います。出てくる登場人物が皆とわに優しくて、私まで嬉しい気持ちになりました。とわと〝普通〟に会話している姿が素敵でした。

後半で盲導犬〝ジョイ〟が登場するのですが、小学生の時に盲導犬が主人公のお話を読んで読書感想文を書いたのを思い出しました。盲導犬の訓練ってとても厳しくて、それを乗り越えてパートナーと出会い盲導犬として生きていく。その健気な姿にとても感動したんです。だからこそ、とわとジョイの姿をみて微笑ましく感じました。

私達が普段感じている匂いや音に人一倍敏感なとわだからこそ見つけられる発見があって、何気なく過ごす毎日にもこんなに沢山の幸せは転がっているのだと感じ、私ももっと日常の一つ一つを大切にしていきたいと改めて感じました。

ぜひ、手に取っていただきたい物語です。

よい本の旅を。田島芽瑠でした。

「読メル幸せ」第65回

(次回は2023年10月中旬に更新予定です)


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◎編集者コラム◎ 『夜に啼く森』リサ・ガードナー 訳/満園真木
週末は書店へ行こう! 目利き書店員のブックガイド vol.112 八重洲ブックセンター京急百貨店上大岡店 平井真実さん