田島芽瑠の「読メル幸せ」第73回

第７３回

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５月になりました🎏
最近は、雨が降る度に「梅雨入りなのかな？」とすぐに思ってしまいます。気が早いですよね🥺雨も好きですが、やっぱり続くと晴れて欲しくなります。私なりの雨の日の気分の上げ方は、可愛い傘を使うことです！

この頃私は、ＭＢＴＩ診断にとってもハマっています。
いくつかの質問に答えていくと自分の性格のタイプを教えてくれる診断なのですが、16タイプに分かれていて事細かく性格が書かれているので面白いんです！皆さんは診断されたことありますか？
ちなみに私はＥＮＴＪです。大胆、自分を貫く、我が道をいくタイプですね😂自分の生き方をそのまま文字に起こしたのかなと思うくらい、良い所も悪い所も当たっていて驚きました。
２年程前から流行っていて、診断してみて損はないと思うのでぜひ皆さんも調べてみてください！（笑）

さて今回は、性格診断と同じように「自分とは？」を考えるきっかけにもなりそうな本をご紹介させてください！
燃え殻さんの『夢に迷ってタクシーを呼んだ』です。

本を選ぶ時は、最初から５ページ程読んで「まだこの本が読みたい！」と惹かれたら買うようにしています。読み始めはまず作家さんのプロフィールを見るのですが、驚き。映画『ボクたちはみんな大人になれなかった』やドラマ『すべて忘れてしまうから』の原作者の方だと知り、２作とも拝見してとても心惹かれていたので、今回も素敵な本との出会いができたなと確信しました。

息を吐くような、つぶやきのようなエッセイ集。飾らない文章が、面白くて居心地が良くて・・・。とても惹かれました。渋みが落ち着く。
きっと私と真反対な性格をされているのだろうなと感じつつ、共感できたり、「そこまで考えなくても！」とクスっとなれたり。読み手によって好きなお話が違うんだろうなと思うので、好きな話を言い合いっこしたいな、なんて、コーヒーを飲みながら読み進めている時に思いました。

〝夢を５分で挫折したことがある〟というお話の中に出てくる、「一瞬で世界を知ることができる代償は、一瞬で意欲を失うということかもしれない。」という文章が強く印象に残りました。
あることに挑戦しようと決めた著者がインターネットでそれについて調べた瞬間、あまりに凄い年下の活躍を見てしまって夢を５分で挫折したことがある、全部を知らないほうがいいこともあるよね、というお話でした。確かに、良くも悪くも今の時代何でもネットで調べられてしまいますよね。自分とネット上の凄い人たちを比べて「自分には無理だ」と諦めてしまう人も少なくはないと思います。便利になることで、可能性がなくなっていくのは寂しい部分でもあります。でも、挫折したからこそ新しい夢に出会えることもある。そのお話に〝某女優さん〟が登場したこともあり、私は読みながら女優という職業を目指すきっかけになった日のことを思い出していました。

私は幼稚園の頃から歌が大好きで、周りにも歌を褒められながら育ってきました。調子の良い子供だった私は、将来の夢を聞かれるといつも「歌手になること」と言っていました。幼い頃に想像していた形とはちょっと違ったけれど、アイドルという職業で無事に歌を届けるお仕事をすることができました。ただ、プロの世界に入ると途端に〝特別〟ではなかったことがわかってしまいます。歌手として生き残ること、歌をお仕事にすることの厳しさを痛感しました。12年間思い続けてきた夢が、夢を叶えたことによって、なくなってしまった。それから暫く、自分がどうなりたいのかわからなくなって暗いトンネルをひたすら歩いているかのような気持ちが続いていました。そんな中、ある監督さんに出逢い、突然光が見えたんです。「これだ・・・！」と。その監督の映画にも出演させていただけたことをきっかけに「女優さんになりたい」という明確な夢ができて、私は今も走り続けられています。

そんなことを冒頭で思い出しながら読み進めていたので、題名にもなっている〝夢に迷ってタクシーを呼んだ〟というお話は心にジーンと響くものがありました。始まりがあるからこそ終わりがある。終わりがあるからこそまた新しい始まりに出会える。挫折があったからこそ、今の夢がある。忘れられないあの日の気持ち。ちゃんといつも心に持っていたい。そして、夢を追いかけられているこの今を大事に楽しもうと改めて思いました。

ふと思い出して、あの話を読みたいなとまたページをめくりたい。程よい日当たりの縁側で日向ぼっこしているような温かさ。優しい時間をくれる本でした。私も燃え殻さんと同じく、「本の中に入っていくような、あの独特の感覚」が大好きです！これからも始まりを大切に。明日からも生きていこう。

良い本の旅を。田島芽瑠でした。

（次回は2024年６月中旬に更新予定です）