マライ・メントライン

採れたて本!【評論】
 本書は、現在の文化産業におけるコンテンツの「発信側」と「受信側」の認識落差の深みを可視化したことで大反響を呼んだウェブコラム記事を大幅加筆したものだ。ファスト映画に象徴される「粗筋と見所まとめ」じみたマニュアル的存在の優先的受容を「情報過多時代に観客が生き抜くための一種の必然であり、そこに旧来の本来的な、というか低効
採れたて本!【ノンフィクション】
「メタバース」という電脳語が脚光を浴びている。バーチャル現実の本格拡張版というか、要するに「物理現実と対等といえる超仮想現実」のことで、各種知覚デバイスと情報空間のスペックアップがそれを可能にするのだ。現状、仮想通貨・NFTがらみで経済面から話題になることが多いメタバースだが、「マジでその中で暮らせる」さらに「環境を恣
採れたて本!【評論】
 何にせよ、大ブームになるとあっという間に消費され尽くして商品寿命が縮みがちな昨今、寸止め的に絶妙な盛り上がり感を長期にわたり維持しているジャンルに、実話怪談や都市伝説がある。これを文芸に含めるかどうかには議論の余地があるが、商品化する際に「語り手」の文芸的な創作力が必須なのは確かだ。実話怪談のトップランナーの一人で私
採れたて本!【SF】
「英米北欧」以外の翻訳エンタメ小説も、ドイツのフィツェックやフランスのルメートルたちのおかげで知名度が向上したが、彼らの作品は英米圏でも通用しそうな基本的センスと洗練度を有しており、文体レベルでのジビエ的な「お国柄」野趣にいささか欠ける面がなくもない。かといって、ガチのジビエ小説は得てしてオチもネタも「所詮はローカルレ