冲方丁

作家を作った言葉〔第9回〕冲方 丁
 本稿を思案するに当たり色々とデビュー前のことを思い出そうとしたが、作家を志す上で必要とした言葉はなく、自然とそうしていたとしか言えない。が、実際に作家となる上で今も指針とする言葉はある。神話学者ジョゼフ・キャンベルの「あなたの至福に従いなさい」だ。至福とは、自分によってのみ見出される自分自身の究極的な「何か」だ。経済
今月のイチオシ本【歴史・時代小説】
 冲方丁『月と日の后』は、藤原道長の娘で一条天皇の中宮になった彰子の一代記である。著者は、一条天皇の皇后・定子と清少納言を描いた『はなとゆめ』を発表しており、紫式部が仕えた彰子に着目したのは必然だったのかもしれない。道長の命で一二歳で入内した彰子だが、すぐに一条天皇が真に愛する定子が敦康を出産、道長が揃えた名家出身の女
冲方 丁さん『アクティベイター』
世界と勝負する 本屋大賞第一位に輝いた時代小説『天地明察』や日本SF大賞受賞の「マルドゥック」シリーズで知られる冲方丁が、現代日本を舞台にした国際諜報アクション小説『アクティベイター』を発表した。全五二〇ページに及ぶ物語のすみずみに、今年でデビュー二五周年となる小説家が培ってきた、エンターテイナーとしての矜持が刻まれている。