椎名誠

週末は書店へ行こう!
 例えば、「星六花」(『月まで三キロ』所収)の主人公は、恋愛にも結婚にも消極的なまま40歳になろうとしている自分を顧みて、悄然と肩を落とす。《こんなはずじゃなかったのに――と今になってため息ばかりついている。「どうせ」と「だって」と「でも」を堂々巡りのように繰り返しながら》。「海へ還る日」(『八月の銀の雪』所収)では、