福澤徹三

◇自著を語る◇  福澤徹三『羊の国のイリヤ』
 これを書いているのは二〇二〇年四月二十一日、世界は新型コロナウイルスによる混乱の真っ只中にある。インフルエンザの十倍といわれる致死率に加え、感染予防のための行動自粛が経済を蝕み、恐怖と不安が渦巻いて
Ily_ya
正義のために悪に堕ちる  一億総中流といわれた昭和は遠くなった。  富める者はますます富み、貧しい者はますます貧する時代である。一説には、わずか六十二人の大富豪が全世界の富の半分を所有するという。富の