『超短編! 大どんでん返し Special』ならこれを読め! 書店員の〈推しどんでん〉ベスト3 ∵ 第1回
わずか2000字で世界が反転するショートストーリーのアンソロジー『超短編! 大どんでん返し Special』が好評発売中、早くも重版が決定しました。豪華執筆陣によるバラエティ豊かな34話を収録した1冊は、「中でもどれが好きだった?」と話が盛り上がることもしばしば。というわけで、書店員の皆さんにも〈推し〉のどんでん返しを聞いてみました!
★皆さんもぜひ、「#推しどんでん」でお気に入りを教えてください。
ベスト1 「はじめてのサイン会」
綾崎隼さんの小説の中のテーマに【本】が煌めいている。サイン会を舞台にまるで世界が変わるのだ。せつなく尊いときめきが心の中に花のように咲く。
ベスト2 「恋に落ちたら」
一穂ミチさんの紡ぐ言葉は、するする読めて、ぐいぐい引き込まれて、予想外の展開にうわっ、ひやっ、すごかった! ラスト一文にとどめを刺された。
ベスト3 「夢の小説」
藤崎翔さんの発想が突き抜けていて面白かった! どんでん返しを先送りしたいくらい、もっと読んでいたかった。読み返すと想像力が広がりさらに笑えてしまう。
第3位は 加藤シゲアキさん「真実は瞳に」
ラスト2行の鮮やかなどんでん返し! 目まぐるしく移る景色が楽しくて、2000字とは思えない広がりがありました。
第2位は 浅倉秋成さん「イズカからユウトへ」
なんだ、このノリ? 初めから何かがおかしい。訳わからなくて笑っちゃうのですが、読み終えてしばし考える。伝えたかったことって……!!!
第1位は 紺野天龍さんの「筋肉は裏切らない」
主人公がかっこよすぎ! 筋トレには自己肯定感を高める効果があるらしいけど、これは私もジムに通っているので実感済み。筋肉があればなんでもできる! そんな気になれて好き。
ベスト1 藤崎翔さん「夢の小説」
思いもつかない発想とアイデアに、大爆笑!
こんな小説読んでみたい!と、何度も笑ってしまいました。
まさに、笑顔になるどんでん返しミステリー。
ラストでの、主人公の心の叫びに、声を上げて笑ってしまいました!
ベスト2 横関大さん「オンライン家族飲み会」
朗らかなやりとりが聴こえてきそうな、オンライン家族飲み会。
家族のあるある的な秘密に、共感しながら読んでいたところ……
ラストの一文に大衝撃!? 今までのやわらかな空気が一変する事実に、思考停止しました! すごすぎました!
ベスト3 桃野雑派さん「身代金」
まさかの完全犯罪!? 人間の心理を突いたどんでん返しに絶句!
そして、本人の心の声を知らなければ、絶対に分からないトリックに、仰天しました! こんな方法で、目的を成し遂げるなんて……!
読後、全身凍結しました。
面白かった作品
1 「夢の小説」藤崎翔さん
2 「クールビューティ」佐川恭一さん
3 「筋肉は裏切らない」紺野天龍さん
超豪華執筆陣夢の競演!
これまで長編しか読んだことのなかった作家さんの短篇が、長編とはまた違った味わいを持っていて意外さを楽しめたり、未読だった作家さんとの新たな出会いがあったり(プロフィール欄で代表作だけでなく、近著がきっちり紹介されているのがまたいい!)、飽きさせないというか、飽きるヒマのない展開の連続で、隙間時間にちまちま読み進めるはずが結局一気読みしてしまう面白さでした。次から次へと違うアトラクションを楽しめる、遊園地のような1冊。
ベストスリー(順位はつけていますがほぼ同不順ですね)は、ミステリ的などんでん返しというよりは、思わず「ぶぶっ」と噴き出してしまった短篇を選びました。4ページでひっくり返すのも難しいけれど、4ページで笑かすってのも、かなりハードルが高い!
まだあったまってない会場に乗り込んでいって、いきなり笑かすみたいなもんですから。
「夢の小説」……反則のオチを堂々とやらかす作者の潔さに惚れました。藤崎翔さんの文庫最新刊を思わず買ってしまった1篇。
「クールビューティ」……いや何回クールビューティいうねん! って途中で思わずツッコミを入れる。甲本ミキティでもう耐えられなかった。
「筋肉は裏切らない」……ボディビルディングの掛け声好きな私の心をがっちりつかんだ4ページ。っていうか筋肉万能すぎるな!
ちなみに、お気に入りを犬耳にしながら読み進め、見返したら14ありました。打率高いよ……!
(次回は2月8日公開予定です)