HKT48田島芽瑠の「読メル幸せ」第32回
第32回
12月になりました☃️
この時期になると街中がキラキラしていて、冬が来たな〜と実感します。どこもクリスマス仕様になってて綺麗ですよね?✨
寒いし、周りがキラキラし始めると理由もなく寂しくなるんですよね〜。だからこの時期の街が少し苦手だったりします? 「あーみんな楽しそうだな」「世の中幸せそうな人こんなにいるんだ」みたいな事を思いながら仕事帰りに私は1人で電車に乗るわけですよ。あぁ、寂しい。ただ、こう思ってる人の方が多いのでは?と勝手に自分に言い聞かせています笑
そんな人肌恋しくなる季節にオススメの一冊を今日はご紹介します!
馳星周さんの『少年と犬』です。
第163回直木賞を受賞した作品。震災で被災した1匹の犬〝多聞〟が会いたい人に会いに行くために旅をしていく。その中で出会う人々と、彼らに寄り添う多聞の絆と愛の物語。
めちゃくちゃ感動しました?
人間と犬は会話できないはずなのに、多聞の心が見えてるみたいでその真っ直ぐさにジーンときた。ラストのシーンは切なすぎました…。
会いたい人に会いに行くための5年間、多聞には沢山の飼い主がいました。家族のために犯罪に手を染めてしまう男。仲間割れを起こした窃盗団。壊れかけた夫婦。体を売って男に貢ぐ女性。死期間近の老人。心を閉ざす少年。人はいつだって何かを選択しながら生きていて、どうしてそっちを選んじゃうの?って思うような選択もあって読みながらもどかしさを感じました。人間って本当に難しい。言葉が全てじゃない、心で通じ合う事ができると多聞が教えてくれました。少しの事ですぐすれ違ってしまう人間関係が難しいこの世の中に疲れてる人もいると思います。そんなあなたに是非読んでほしい。
犬の特徴とか特性もしっかり描かれていてリアル。だからこそ物語にすんなり入り込めて没頭できる。私は2時間くらいで一気読みしたのですが、多分これは一気読みされる方が多い気がします。なんとなく?
家族に動物がいらっしゃる方には尚更読んでほしいです!ちなみに私はいないのですが、犬ってやっぱり凄い!と思いました。動物が大好きで特に小さい頃からわんちゃんが大好きなのでタイトルを見てこの本は即購入しました。想像していたよりも泣かされましたね?
人間と犬って見えない絆で結ばれていて、言葉は交わせなくてもお互い信じ合っていて、唯一無二な関係性が凄く羨ましいし素敵だなって思う。命の絆だからこそ、重いし脆くない。疲れて帰ってきた時とか、ちょっと落ち込んでる時とかに感じる犬の温かさって凄くじんわりきそうで飼われてる方がほんと羨ましいです。この本を読むとすっごく家族に欲しくなりました?
馳星周さんは初読み作家さんでしたがこの作品は凄く読みやすかったです。変に癖がないというか、ストンと入り込める感じが心地よくて穏やかだけど力強さを感じた。他の作品を見てみると全然作風が違うみたいなのでそちらもまた読んでみたいです!
皆さんも是非〝多聞〟に会いに行ってみてください。
きっと今の自分に足りない大切な物を教えてくれるはずです。いい旅になりますよ。
素敵な本の旅を。田島芽璢でした。
(次回は来年1月中旬に更新予定です)
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