小池百合子都知事の本・おすすめ2冊を電子書籍化!
東京都知事に就任以来、オリンピックの東京開催や、築地の豊洲移転問題など、山積する課題に真正面から立ち向かい、辣腕をふるっている小池百合子氏。そんな小池氏による2つの著作が、電子書籍にて配信開始しました。いずれも、小池氏の人物像がよりくっきりと見えるような、興味深い内容となっています。
小池百合子氏が綴る、ふろしきのすべて。
『ふろしきのココロ』
小池百合子
https://www.shogakukan.co.jp/books/09387848
ふろしきの大きな特徴は、循環することです。人の手で結び、包み、目的に合わせて使ったふろしきは、ほどくと再び一枚の布に戻ります。贈り物をふろしきで包んで手元から出せば、またそのふろしきは別のものを包むことになるでしょう。ふろしきは、存在そのもので、私たちに「循環」を教えてくれます。
小池百合子氏が、愛用している「ふろしき」。
省エネや、エコロジー的な視点からも、再び見直されつつあるふろしきの魅力やその基本的な活用術を、図解で詳しく紹介しています。その他、「ふろしきの心と技をお見せします」と謳われているように、小池氏が外交の場面でも心を込めてふろしきを愛用していること、ふろしきが、いかにライフスタイルに根付いた名品であるかということを述べた、コラムも掲載されています。環境大臣を経験している小池氏だけに、グローバルな観点で、エコロジーな考え方が根底にあることや、人との繋がりを重んじていることなど、人物像も垣間見える内容となっています。
完全英語訳付きで、海外の方にも伝えたい日本の心がぎゅっと詰まったおすすめの一冊です。
有効な政治システムを構築するために。
『議員と官僚は使いよう』
小池百合子
https://www.shogakukan.co.jp/books/09825055
私が、今回、この本を書こうとしたのは、官僚の悪を暴くためでも、政治家の怠慢を告発するためでもありません。官僚たちの力を最大限に利用して、なおかつ政治家たちの主導権のもと、この国に真に有効な政治システムを構築するため、それがいちばんの理由です。
題名にした『議員と官僚は使いよう』、まさにそのとおりの内容の本です。
民主党政権時代に書かれてはいるものの、行政において問われていることは不変であり、
過去の政治を遡っても、政治家の怠慢と、官僚の専横が、天下り問題を生んできたという
現実。小池氏は、その解決策として、今こそ官僚の英知をも利用する新しい仕組みを作らなければならないことを提言しています。環境大臣、内閣府特命担当大臣、防衛大臣を歴任し、霞ヶ関の官僚たちと仕事をしてきた経験がある、現東京都知事・小池百合子氏が、都度感じてきた、「もっとよりよい政治家と官僚との関係があるのでは」という思い。目新しいものではないかもしれませんが、都政の指揮を執る小池氏の政治理念がつぶさにわかる一冊となっています。
おわりに
都政のリーダーである現在の小池百合子氏の根底にある理念は、今回電子書籍化された2冊にも、深く刻まれているといえるでしょう。喫緊の課題を解決するために、日々奔走する氏の人物像に少し近づけるであろう著作を、ぜひ手にとってみてください。
<小池百合子氏 プロフィール>
こいけ・ゆりこ
1952年兵庫県出身。76年カイロ大学卒業。ニュース番組『ワールドビジネスサテライト』キャスターなどを経て、92年参議院議員選挙で初当選。93年衆議院議員総選挙に出馬し、当選。2003年小泉内閣で環境大臣に就任。以後、内閣府特命担当大臣(沖縄及び北方対策担当)、防衛大臣を歴任。2010年自民党総務会長、2011年予算委員会理事。2016年より、東京都知事に就任。「都民の、都民による、都民のための都政」を行う、と宣言。
初出:P+D MAGAZINE(2016/11/09)