◎編集者コラム◎
『海が見える家 逆風』はらだみずき
毎年、夏になると売れる本でしたが、八重洲ブックセンターチェーンさんの積極的な取り組み、さらには秋や冬の帯を作成して一作目『海が見える家』が30週連続ベストセラーランキングをキープしました。快挙を記念してはらださんのトークショーが、昨年8月に催されました。
トークショーは対策をほどこして、大盛況で終わったのですが、その事前打ち合わせの際に三作目を依頼しました。昨年刊行した続編『海が見える家 それから』は、一応の完結を見せた物語でした。けれど、主人公の農業への好奇心の芽生え。実際に房総半島を襲った巨大台風などの試練、疎遠になった姉との関係、元カノとの復縁などなど、まだ描ける物語はあると思えたからです。
この春から山で暮らした始めたはらださんは、そこで自主的缶詰に突入。朝の鳥の声、夜の不気味な静けさ。もしくはなんの生き物なのかわからない悲鳴、不意にやってくる野生動物との遭遇など、山でしか経験できなかった体験をふんだんに盛り込み、短期間で作品を書き上げました。
テーマは、「食っていく」ということ。
この三作目で、はらださんは大きな決断をしました。それは読んでのお楽しみ。本作でも、素敵な田舎暮らし体験を約束します!
──『海が見える家 逆風』担当者より
『海が見える家 逆風』
はらだみずき
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