ハクマン 部屋と締切(デッドエンド)と私 第111回

「ハクマン」第111回
「Twitter はおしまいだ」
と騒がれているが、
移住先が見つからない。

現在「API制限」により Twitter およびツイ廃どもに激震が走っている。

ツイカスの半数以上が「API」の意味を知らずに騒いでいるような気がするし、私もその一人だ。
しかしある程度 Twitter を閲覧したら「閲覧制限に達したので今日は終了です」と言って神田のそば屋より短時間で閉店してしまう、ということがわかれば十分だ。

これが永続的に続くことなのか一時的なことかは不明だが、1日に表示できるツイート数は無課金ユーザーで「1000ツイート」と言われている。

この数は一般的ユーザーからすれば十分なのかもしれないが、ツイカスにとっては「これで1日遊んできなさい」と言って50円を渡されるに等しい。つまり全然足りないのだ。

イーロンに買収されて以来、青山よりも「閉店!」と言われ続けて来た Twitter だが、何の予告もなしにこのような仕様変更をしてくる Twitter に対し本格的な終わりを感じ、早急に別のSNSに移るべきだと考えた者が今まで以上に多かったようである。

大体これまでも月一レベルで「Twitter はもうおしまいだ」と騒いできたくせに、何故まだそんな場所に居座り続けているのか、と疑問に思う人も多いだろう。

それに対しては「Twitter よりも Twitter 民の方がさらに終わっているから」という明確な理由があるし「こんな所にいられるか!俺は別のSNSに移らせてもらう!」というやる気を「mixi に戻るしかない」という呪詛がいつも一瞬で萎えさせてしまうせいもある。

事実としてTwitterを出ていきたくても、これだという移住先がないため、結局Twitterに残留してしまっている、というのが多くのTwitterユーザーの現状だろう。
それ以前に「Twitterが続いてくれるのが一番」と思っている者も多いのではないだろうか。

実際 Twitter 終了速報が出るたびに「Twitter の代わりになるSNSはここや!」というSNSの名前が出るのだが、新鋭のクソ邦画が出るたびに「実写デビルマンを超えた!」というキャッチコピーが出てくるのと同じで、結局超えていないのである。

そして私も Twitter が続いてくれるのが一番と思っている勢である。
むしろ Twitter が終わるのは「ピンチ」と言っても良い。そしてそう感じている漫画家は結構多いのではないだろうか。

 
カレー沢薫(かれーざわ・かおる)

漫画家、エッセイスト。漫画『クレムリン』でデビュー。 エッセイ作品に『負ける技術』『ブスの本懐』(太田出版)など多数。

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