ハクマン 部屋と締切(デッドエンド)と私 第122回
久しぶりに編集部へ行くと
漫画家と編集者の熱い打ち合わせが
すぐ横で繰り広げられていた。
久しぶりにガッデムファッキソS学館に行ってきた。
私はいつも地元の田舎っぷり過疎っぷりを喧伝し、最近では誰よりも声を大にして「ビッグモーターは我が県発祥です」と新たに爆誕した名産を激推しくんしながら町おこしに励んでいる、地元からしたら「輩」としか言いようがない存在である。
しかし、都会を貴んでいるわけでもない。
むしろ、全く都会に価値を見出さず、東京出張の際も1秒でも早く自分の部屋に帰ろうとする、ドトール1杯奢る気にならないチャームゼロの田舎者である。
都会を嫌い、地元にも不満、まさにどこにも居場所がない、誰も愛さず誰からも愛されず、ゴミの関東ローム層から遺体となって発掘される奴の典型だ。
愛されたいなら、まず自分が周囲を愛さなければいけないということが良くわかる。
そんなわけで、東京に行くときは毎回空港内を遅すぎて徒歩に見える達人ダッシュするとわかっていながら「日帰り」に設定し「この後飯でも」という担当の誘いも全て断ってきたのだが、この度、編集者ではない日頃懇意にさせてもらっている人を交えて酒席を設けると言われたので、久しぶりに1泊で東京に滞在することにした。
だが、やはり1秒でも早く、ゴミが人のような東京を離れ、リアルゴミしかない自分の部屋に帰りたかったので、次の日の始発飛行機を予約した。
その結果寒波襲来中の「冬の5時起き」をすることになってしまったが、そこまでして私は早く家に帰りたいのである。
そして、取材から酒席までに時間があったので、久しぶりにS学館に行き、今仕事をしている雑誌の編集長と対面することになった。
リモートワークが急速に広まったことにより、漫画の打ち合わせもわざわざ編集と対面する意味など「思い立ったが吉日でその場にある灰皿ですぐ殴れる」以外ないと判明したため、今では編集長どころか一度も顔を合わせたことがない担当が大半である。
しかも編集長や担当編集というのは意外とすぐ交代してしまう。
特に今年は交代が多く、体調不良で交代した担当がまた体調不良で交代するというスペース休業が起こったので、私の担当は体に悪いのかもしれない。