ハクマン 部屋と締切(デッドエンド)と私 第47回
漫画家にとって
決して他人事ではない。
また完全に個人アカウントのノリになってしまい、自分が何の会社のアカウントをやっているのか忘れてしまっているケースもある。
コミックLO同好会の方たちが、巨人を防いでいるのかと言うぐらい高い壁に囲まれた秘密基地で酒を飲みながら言うようなジョークならギリギリありだとしてもそれを女児玩具を扱う会社が公式ツイッターで言ってしまったら、アウト寄りのデッドである。
ギャグのつもりでドン引きされるというのは日常会話でも良くあることだが、言う本人は引かれるまでそれが不適切発言ということに気づけないものだ。
もし企業アカを持つなら、絶対に個人に采配を任せない方が良く、炎上を防ぎたいなら1つのつぶやきに3つ承認印を得るぐらいの慎重さが必要である。
ただし、承認印を押すのが全員50歳以上の男など偏っていてもダメだ。様々な年齢性別、出来れば人間よりも遥かに賢い、おイッヌ様やおキャット様も入れておいた方が良い。
このような企業炎上は我々漫画家も無関係ではない。
前に映画のステマ漫画が炎上してしまったように、企業案件を受けたらその会社が燃えてしまい、ついでに自分の家も半焼したというケースが珍しくなくなってきているからだ。
もちろん企業側もPR漫画を頼んだ作家が淫行やお葉っぱ様で捕まるというリスクはあるのでお互いのキンタマを握り合っているような状態ではあるが、作家は個人としてダメージを負わなければいけないので、ある意味企業より傷が深い。
またツイッターを使ってのPR案件の場合、作成したPR漫画を作家個人のアカウントで発表することが条件になっている場合がある。
これは燃えた時、自社ダメージを減らすためという気持ちが35%ぐらいはあるかもしれないが、主に企業アカウントで発信するより、フォロワーの多い作家個人アカで発表した方が拡散効果が期待できるからという理由である。
逆に言えば、フォロワーの多い作家は企業案件が来やすいということであり、フォロワーを増やすことも商業作家としての大事な仕事の1つなのだ。
よって編集者に「ツイッターやってないで原稿描いてください」などと言われたら、威力業務妨害で通報していい。
だが、作家個人のアカウントで発信することにより、その案件が燃えると、作家には何の責任もないのに、直火で燃えてしまい、今後の仕事に影響を及ぼすケースもある。
よって、作家は企業案件が来た際は、企画コンセプトが新聞紙やBBQで炭を起こす時に使う謎のジェルで出来てないか良く確認した方が良いのだが、企画を見た段階では気づけないケースも多いので悩ましい。