【小説で漫画やアニメの世界観を表現】西尾維新のオススメ作品を紹介

テンポのいい文章運びと、軽快な会話のやり取りが人気で数々のヒット作を送り出している西尾維新。多くの作品がアニメ化やドラマ化もされ、CDやDVDが発売されるなど作品は多方面に広がりを見せています。

西尾維新とは?

小説家としてだけでなく、漫画の原作や脚本家としても活躍している西尾維新。もともとは漫画家志望でしたが、絵が苦手だったため小説家に転向。2002年、20歳の時に『クビキリサイクル 青色サヴァンと戯言遣い』で、第23回メフィスト賞を受賞し小説家としてデビューしました。

テレビドラマにもなった忘却探偵シリーズ

掟上今日子の備忘録
出典:http://www.amazon.co.jp/dp/4062192020

西尾作品の中でも、忘却探偵シリーズは特に人気を集めています。シリーズの一つ、『掟上今日子の備忘録』は新垣結衣主演でテレビドラマ化もされました。寝ると記憶がリセットされてしまう主人公の掟上今日子。探偵である掟上今日子は記憶がリセットされる前に、1日で事件を解決していきます。シリーズには他にも、『掟上今日子の推薦文』、『掟上今日子の挑戦状』、『掟上今日子の遺言書』、『掟上今日子の退職願』、『掟上今日子の婚姻届』、『掟上今日子の家計簿』などがあります。

掟上今日子―またの名を、忘却探偵。すべてを一日で忘れる彼女は、事件を(ほぼ)即日解決!あらゆる事件に巻き込まれ、常に犯人として疑われてしまう不遇の青年・隠館厄介は今日も叫ぶ。「探偵を呼ばせてください―!!」スピーディーな展開と、忘却の儚さ。果たして今日子さんは、事件の概要を忘れる前に解決できるのか?

伝説シリーズ

悲鳴伝
出典:http://www.amazon.co.jp/dp/4061828290

主人公は何事にも動じず感動もしない少年、空々空(そらからくう)。地球上の1/3の人が亡くなり、謎の組織「地球」は人類撲滅を企みます。そして人類を守るために「地球」と戦う「地球撲滅軍」。「地球撲滅軍」にスカウトされた空々空の任務は、世界中の対地球組織から裏切り者を特定する任務でした。空々空が個性の強い仲間と繰り広げる冒険ストーリーとなっています。シリーズ作品は、『悲鳴伝』、『悲痛伝』、『悲惨伝』、『悲報伝』、『悲業伝』、『悲録伝』、『悲亡伝』。

彼の名は空々空。どこにでもいない十三歳の少年。風変わりな少女、剣藤犬个が現れたとき、日常かもしれなかった彼の何かは終わりを告げた。ひどく壮大で、余轍もなく荒唐無稽で、しかし意外とよく聞く物語は、そんな終わりを合図に幕を開ける。人類を救うために巨悪に立ち向かう英雄は、果たして死ぬまで戦うことができるのか!?―。

刀シリーズ

刀語
出典:http://www.amazon.co.jp/dp/4062836114

刀シリーズと呼ばれる『刀語(かたながたり)』は、時代活劇を描いたシリーズです。このシリーズは2007年に1か月に1作品ずつ、12か月連続で刊行されました。主人公は、伝説の刀鍛冶である四季崎記紀。主人公が人生を賭けて鍛えた12本の刀をめぐる物語です。「刀を使わない剣士」と、それぞれ特徴的な力を持つ12本の「変体刀」と呼ばれる刀を持つ者との戦いが描かれています。刀の戦いと合わせて軽快な会話が楽める作品となっています。

伝説の刀鍛冶、四季崎記紀(しきざききき)がその人生を賭けて鍛えた12本の“刀”を求め、無刀の剣士・鑢七花(やすりしちか)と美貌の奇策士・とがめが征く!刀語(カタナガタリ)、第1話の対戦相手は真庭忍軍十二頭領が1人、真庭蝙蝠!

物語シリーズ

化物語
出典:http://www.amazon.co.jp/dp/4062836025

2006年に出版された『化物語』などが有名なシリーズです。2009年にはアニメ化され、DVDは爆発的に売れました。田舎町を舞台に、謎の存在である「怪異」にまつわる不思議な物語が展開されます。民間伝承がモチーフとなっている「怪異」について、主人公の阿良々木暦がその発生の謎を解明し事件を解決していきます。作品中の会話は漫才のようで、コメディ要素の強い作品となっています。

シリーズはファーストシーズン、セカンドシーズン、ファイナルシーズン、オフシーズンの4つで構成されています。ファーストシーズンは、『化物語』、『傷物語』、『偽物語』、『猫物語(黒)』。主人公と「怪異」に関係する6人の少女との出会いが描かれており、セカンドシーズンは、『猫物語(白)』、『傾物語』、『花物語』、『囮物語』、『鬼物語』、『恋物語』。ファイナルシーズンが、『憑物語』、『暦物語』、『終物語』、『続・終物語』。そしてオフシーズンが『愚物語』、『業物語』、『撫物語』で、物語のその後や以前のストーリーなどが描かれています。

阿良々木暦を目がけて空から降ってきた女の子・戦場ヶ原ひたぎには、およそ体重と呼べるようなものが、全くと言っていいほど、なかった――!?

まとめ

西尾維新は漫画や推理小説に強く影響を受けたと語っているように、漫画やアニメの世界観がうまく小説で表現されています。ストーリーや会話の面白さと合わせて、読みやすさも西尾作品の魅力の一つです。普段は読書をしないという方や本が苦手だという方も楽しんで読めるような作品となっているので是非手に取ってみてください。

初出:P+D MAGAZINE(2016/10/16)

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